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蜂の巣のような画素配列のSuper CCD Honeycom 搭載のデジタル一眼レフ

FUJIFILM FinePix S2Pro

 

左の写真は、ぼくが初めて買ったデジタル一眼レフカメラです。
イメージセンサーのサイズはAPS-C規格で、同価格帯のNikon製、キヤノン製の3台の中で、フィルムメーカーさんらしい、Super CCD Honeycomという銀塩のような多角形のセンサーの搭載が気に入って買いました。
写りは、ほぼ満足しましたが、時々シャッターが切れない時もあって、保険用にフィルムカメラのNikon F100と併用しました。

カメラ:Fuji FinePix S3Pro
レンズ:AF Micro Nikkor60mm F2.8D 180分の1 f27
ストロボ:電源部はフォトナ・サイクロン2400、発光部バルカーヘッド使用、
撮影日:2004年12月9日撮影 尾林



わが愛機 Vol.2 FUJIFILM FinePix S2Pro
2002年9月に買った、初のデジタル一眼レフカメラ

2004年4月8日初稿:2014年2月25日更新

2002年の9月11日に、デジタル一眼レフカメラの Fuji FinePix S2Pro(以下S2 Pro)を初めて買って、早くも11年以上が経ちました。12年前のデジタルカメラなので、現在は手許にありません。
2002年当時のぼくは、未だ50代で、このカメラを主にイベント取材などの仕事で使い、フィルムカメラに代わって報道的な業務にも使えることに関しては、連写が全く出来ないものの、画質的にはかなり満足していました。WEBページに掲載するだけの写真撮影の仕事に、このカメラを使うのなら十分過ぎる性能で、ちょっと贅沢過ぎますね。やはり、A3ぐらいの大きさにプリントすると、このカメラの性能を発揮させることができます。

このカメラの次に欲しかったのは、やはり35ミリ判フルサイズのイメージセンサーを搭載したKodak DCS Pro14n(2004年4月20日にマイナーチェンジされ、標準で512MBのメモリ搭載のDCS Pro SLR/nにグレードアップ。以下、DCS Pro SLRと記述)か、Canon EOS-1Ds(以下EOS-1Ds)で、どちらかを早くゲットしたいところですが、当時は、デジタルカメラやデジタルカメラバックを使って、精細で滑らかな描写が要求される商品撮影や、大伸ばしするような仕事が発生しないので、購入を控えていたのです。何しろ、カメラボディだけで一台50万円以上もするカメラを仕事で稼げる当てもないのに、趣味で買うほどの資金的な余力は当時のぼくにはなかったのです。

2004年の2月にA3ノビのプリンター・EPSON PM-4000PXとPS出力用にCPSソフトリッパーPlus2を買ったので、試しにS2 Proで最高画質のTIFFモードで撮影したら、ノートリミングで、A3ノビ(印画紙では半切ぐらい)まで十分に伸びました。Photoshop7.0J以上で16ビットの色調補正をすれば、印画紙サイズの全紙までは伸びそうです。最高画質で撮ったS2 ProのTIFF画像をPhotoshopで開いてみて、これなら別に35mm判フルサイズのデジタルカメラに拘らなくてもいいのでは...という思いがよぎり、当面は、S2Proを酷使し続けることにしました。

2004年の3月19日に、東京お台場にある国際展示場・東京ビッグサイトで開かれたフォト・イメージング・エキスポ2004(PIE2004) に、わざわざ大阪から新幹線に乗って見学にいきましたが、ぼくはNikonさんのブースで当日新発売のNikon D70を触ってみて、S2Pro のスペアカメラとして、十分使えるんじゃないかと思いました。

デジタルカメラは日進月歩に性能が良くなっていくので、カメラを買うタイミングが重要です。2004年、アメリカで開かれたPMAショウでは、S3Proのダミー(外観だけのサンプル)が出品され、6月初めには富士系のラボから、S3Proの完成品が出来ているという内部情報も聞きました。
そして、ウワサのS3Proの発売のニュースは、2004年7月28日、富士写真フィルムさんのWEBサイトで正式に発表されました。発売開始は11月30日で、価格はオープン価格の、実売26万円(税込み)程度になるそうです。なお、今回注目されていた35ミリ判フルサイズのイメージセンサの搭載は見送られました。

S2Proを初めて買った2002年当初は、ぼくはデジカメ初心者だったので、シャッターを切った後はちゃんと録画されているかとか、露出や色調が適正かどうかが非常に不安で、デジタルカメラ全般に対する不信感も根強くありました。
それで、取材現場で撮影画像をチェックするために、高価なPowerBook G4/800MHzも買ったのですが、取材中にカメラとパソコンを何度も接続して撮影をすると、仕事の効率がガクッと落ちてしまいます。
だから、S2Proをほぼ信用して、取材現場にノートパソコンを持って行かないことにしました。フィルム用カメラでも、撮影したフィルムを現像してみないと結果が分からないでしょ。だから、フィルムで撮ろうが、デジタルで撮ろうが、カメラマンが抱える不安(取り越し苦労)は一緒なのです。

取材に持っていくのは、基本的にはカメラと交換レンズと専用ストロボと予備電池を詰め込んだバッグ1個にコンパクト脚立だけで済ませ、比較的身軽な装備にして、取材現場で機敏に動けるようにします。三脚などは常時クルマに積んでおき、手持ち撮影が無理な状況の時にだけ持ち歩くようにしています。 カメラがデジタル用でもフィルム用でも、日頃から定期的にカメラの動作チェックをして、トラブル対策をしておけば、気分的に安心ですね。

S2Proに使い慣れたことにより、フィルムカメラのNikon F100などを次第に使わなくなって、殆どデジタルで撮影するようになりました。2003年〜2005年まで当サイトに掲載している写真は、殆どS2Proで撮っています。(2006年4月からは、取材のメインカメラはEOS5Dになりましたが...)
A4〜B5判の雑誌などでも、見開き両面に使うような写真の撮影には、中判サイズのフィルムカメラ・FUJI GX-680を使いますが、キャビネ判(17.5×12.5cm)ぐらいの大きさの写真なら、S2Proで撮ってもISO400のカラーリヴァーサルフィルムで撮ったのと同等の印刷クォリティーが得られています。

S2Proで撮影していて、まだピンと来ないのが、レンズ焦点距離の感覚です。ぼくの愛用している、AF Micro Nikkor 60mm f2.8Dレンズが、S2 Proに装着すると、90mmの中望遠の画角になるので、いつも面食らってしまいます。Nikonさんは、DXフォーマットのデジタル一眼用に、40mmf2.8のDX仕様のマイクロニッコールを作る必要がありますね。

S2Proの場合は、Nikon製のDXフォーマット(APS-C規格に近い)のデジタル一眼レフカメラとイメージセンサーの大きさがほぼ同じなので、画面サイズが35ミリ判の約66%しかありませんので、Nikon Fシリーズ交換レンズの焦点距離が約1.5倍の画角効果になり、例えば35ミリ判の50mm標準レンズをS2Proに装着すると、75mmの長焦点レンズの画角になってしまいます。

ニコン製35ミリ判一眼レフと同じ焦点距離のレンズをS2Proに使った場合、S2Proでは結果的に画像が拡大(トリミング)されて写るので、普段愛用している35ミリ判一眼レフカメラを使う時よりカメラぶれの影響を受けやすく、被写界深度も浅くピントの甘さ目立ってきますので、手ブレ防止のため、自分の手持ち撮影限界のシャッタースピードを通常より1段以上早くして撮影する必要があります。
また、室内撮影などで低照度の場合は、ISO感度を実用限界のISO800まで上げる必要がありますね。ISO1600で撮ると、画像が少しざらつくようです。

デジタル撮影のメリットは、経費的にはフィルム費や現像費の大幅削減が挙げられますが、時間的ロスの削減も大きいですね。
カメラマンにとっては、現像待ちの時間が、最大のロスタイム(無駄な時間)になるので、ぼくのように事務所とラボが離れている者にとっては、デジタルで撮影すると、撮影後の時間が有効に使えて非常に有難いです。

今までのように、カラーリヴァーサルフィルムで撮影しますと、殆どのプロはラボ(現像所)へ行って、先ずテスト撮影のフィルムを現像に流し、テストフィルムの現像結果を見てから本番フィルムの増感・減感の現像時間を三分の一ステップまたは、二分の一ステップで指示しますので、全ての現像が完了するまで、約4時間ほどラボの近くで待機しなければなりません。ラボの近くに自分のスタジオや事務所がある場合は、他の仕事に掛かれるので、待機時間が有効に使えるのですが...。何れにしても、撮影(現像)結果を気にしながらじりじりと待つのは、非常に長く感じるものです。

デジタル撮影のデメリットは、撮りっぱなしのデータのままでは、得意先に納品できないので、カメラマンは、広告制作会社、デザインスタジオ、出版社や印刷会社用に渡すデータとして最低限の画像処理をしておく必要があります。

カラーリバーサルフィルムで撮影していたときは、現像上がりのフィルムをビュワーで点検してからセロファン製のショーレックスに装填し、封筒に入れて納品すれば、それで一件落着だったのですが、デジタルになると、カメラマンは、撮影データをAdobe Photoshopなどで、印刷原稿に適した画像処理(ファイルサイズと解像度、CMYKカラーモード、レベル調整や色調補正、アンシャープマスクの処理)をしなければなりません。

ぼくの知る限りでは、ぼくより若い大抵のプロカメラマンは、グラフィックデザイナーよりはパソコンに慣れている方が多く、Macを使いこなしておられる方も大勢いらっしゃるようです。デジタルカメラで撮った後の画像処理の仕事が余分に増えても、それが、大阪では無料サービスとして見なされているケースが殆どで、カメラマンの収入に反映しないのが、デメリットですね。

画像処理料が貰えないからといって、撮りぱなしのデータを印刷会社に渡すと、とんでもない色に仕上がってくることもあって、撮ったカメラマンの信用を落とすこともあります。
だから、ぼくの場合は、無料奉仕が多いですね。印刷屋さんは、画像処理料をちゃっかり請求しているのにねぇ。カメラマンに画像処理費を認めないのはなぜでしょうか。
いずれにしても、デジタルで撮影すれば、フィルム代や現像代が要らないから、その分を撮影料から差し引くとか、短絡的な考え方を改めて欲しいものです。

ところで、ぼくが行っている画像処理のプロセスのことですが、ぼくは取材が終わると直ぐに事務所に帰って、S2 Proの画像データをIEEE1394ケーブル経由で、PowerMacG4に転送しています。
FireWire(IEEE1394) 接続なら、初期のUSB(USB 1.0)転送よりもPowerMac G4への画像取り込みが速いからです。

マイクロドライブで記録したデータをFireWire(IEEE1394)で転送する時は、カメラ側の電池をかなり消耗するので、S2ProにACアダプタを接続して、家庭電源を使用すること。

S2Proに装填したメディアからの画像転送が始まると、MacにインストールしたFinePix Viewerが自動的に起動して、撮った写真が次々と表示されていきます。写真表示の大きさや並べ方はFinePix Viewerのメニューで変更できますが、サムネイルを「大」にしておけば、画像チェックがしやすいです。

カメラからパソコンへ、データの転送中に写真を途中でクリックしたりすると、セレクトされた写真がモニタ画面一杯に拡大しますが、転送中にこんなことをすると、カメラ側に過分なメモリーの負担が掛かり、転送速度が落ちますので、はやる気持ちを抑えて、最終コマの画像が表示されるまでしばらく待ちましょう。

最終のカットまで全部表示されたら、FinePix Viewerを一旦閉じて、デスクトップ上にマウントされたマイクロドライブのフォルダをクリックし、その中から「100_FUJI」のフォルダをクリックして、画像ファイルが入っていることを確認してから、100_FUJIのフォルダを丸ごとディスクトップ上に、ドラッグ&ドロップの手法でコピーします。コピーが終わると、忘れない内にコピーした100_FUJIの名を取材のタイトル名などに変更します。変更しておかないと、次にコピーする時に上書きしてしまう危険性があるからです。Macの場合は、S2Proに装填したマイクロドライブやスマートメディアのアイコンをゴミ箱に捨てると、S2Proのアクセスランプがしばらく点灯しますので、消灯を確認してからカメラの電源を切ってFireWireのケーブルを外します。

次に、Mac上にコピーされた画像フォルダの中身をFinePix Viewerでチェックします。撮影したデータが正常にコピーされているのであれば、S2Proのメディア(マイクロドライブなど)に蓄積されたデータをカメラ側の操作ですべて消去して初期化します。

デジタル一眼レフに慣れない最初の間は、ぼくは何でもかんでもCCD-RAWモードで撮影していたのですが、これをRAW FILE CONVERTER EX(有料)でTIFF変換するのに結構時間が掛かって、次第に邪魔くさくなってきたのと、二種類のデータを保存していくと、RowerMacのハードディスクの空きがみるみる内に少なくなってしまいましたので、取材ものでは写真の用途と掲載サイズがほぼ決まっていますので、最近ではJPEGのFineモードで撮影するようになりました。この方が、後の画像処理の仕事が捗ります。

CCD-RAWモードやRGB-TIFFモードで撮るのは、極めて重要な撮影に限った方がいいですね。 S2 ProのJPEGのFineモードは、最大で4256×2848の1212万画素で録画しますが、ぼくの場合は3024×2016の605万画素で録画しています。
その理由は、S2 Proで609万画素のFineモードでJPEG録画する時はデータ量は約2.3MBで、プロ用の画像処理ソフト・Adobe Photoshopで開くと、RGBモードではファイルサイズが約22cm×14cm,350dpiで17.4MBのデータ量に膨らみますが、一般的な商業印刷の場合、後で画像の一部分的をトリミングして拡大して使うこと等を考えると、これくらいのファイルサイズで撮っておく方が無難だと判断しているからです。

それと、JPEGモードで撮影すると、1コマ当たりのデータ量が小さく、カメラに装填したメディアへの書き込みも速いので、シャッターを切ってから次のシャッターが切れる状態になるまでしばらく待たされるようなことは殆どありません。
S2 Proはいいカメラ(カメラボディはNikon F80)なのですが、改善すべき問題点もあります。しかし、改善すべき問題は、カメラボディを製造しているNikonさん側の問題なので、改善には時間が掛かると思います。

個人的には、光学ファインダー内の小さくて見辛い視野をもっと大きく見えるようにして欲しい(S3Proではファインダー視野の倍率を0.8に高めて見やすくなっているらしい)ことと、視野から離れすぎているインジケータ表示も視野側に近づけて見やすくして欲しいと思っています。

改善して欲しい一つ目は、露出の正確さ。

S2Proを使ってAEモードで撮影した時、0.5〜1.5段ほど露出がアンダーになるケースが多いのでが気になっています。
スタジオ撮影の時などは、ぼくはミノルタ製の単独露出計を長年愛用しており、主に入射光で測光したデータを基にして、カメラの露出設定をマニュアルで行っています。
スタジオ用の大型ストロボを数灯使って光を均等にまわした撮影では、フラッシュメーターの数値より三分の一段ほどアンダー目に写りますが、これぐらいの誤差ならそれほど気にはなりません。

S2 Proで採用されている、ニコンの3D-10分割のマルチパターン測光では、ファインダー内の明るい部分(ハイライト)に受光素子が敏感過ぎて、適正露出より約1〜2段ほどアンダー目に写ってしまいます。
だから、ファインダー内の一部に明るすぎる物が少しでもあると、中央重点測光に切り換えて、ファインダー視野内の蛍光灯や白っぽい空の部分を測光エリアから外して測光する必要がありますね。
この傾向は、ぼくが愛用しているフィルムカメラのNikon F100にも言えることなのですが...。

余談になりますが、Nikon F80と同じカメラボディを使いながら、Kodak DCS Pro 14nの露出はかなり正確でした。ということは、DCS Pro 14nのイメージセンサの感度チューニングがニコンの3D-10分割のマルチパターン測光に合致しているのでしょうね。

いずれにしても、S2Proに使われているスーパーCCDハニカムのISO感度は、初期のフジクローム・ベルビアにように、表示感度より0.5〜1段ほど低いと思っておかれた方がいいでしょう。
ところで、S2Pro(カメラボディはNikon F80がベース)に報道カメラマン用に開発されたストロボ・SB-80DXをスローシンクロでマルチBL調光発光させると、露出はドンピシャの適正になります。但し、S2 ProのISO感度を1600にして撮影すると、条件によっては1絞りほどオーバー目に写ってしまいましたが...。
人物のスナップ撮影で、昼間の室内や日陰、逆光で撮影するときは、露出補正をするよりも、自然光を活かしながら優秀なSB-80DXをマルチBL調光で使うと好結果が得られますよ。

改善して欲しい二つ目は、被写体に忠実な発色。

S2Pro搭載のスーパーCCDハニカムの感色性は、人物の顔などが少し赤っぽく写る傾向にあります。
メーカさんは「肌色がきれいに写る」と宣伝されていますが、これは「好み」の問題でしょうね。
赤みを抑えたい場合は、Photoshopで画像を開き、Photoshopのメニュー・バーから、イメージ/色調補正/レベル補正で、モニターを見ながらRGBチャンネルの「R」だけ個別に補正しなければなりません。

ぼくの撮影取材は、ホテルの宴会場などで行われる式典も多いので、照明は蛍光灯とタングステン光が入り交じっています。ミックス光は、人間の目で見るとそれほど色の濁りを感じないのですが、写真を撮ると、フィルムカメラでもデジタルカメラでも発色が濁ってしまいます。
だいたいどのホテルでも、宴会場の客席の明るさは、ISO400で手持ち撮影限界のシャッター速度を30分の1秒にすると、絞りがf2〜3.5ぐらいでしょう。スポットライトの当たる演台の所でf6.3〜f11ぐらいの明るさですね。

ぼくは定常光の明るさを活かしながら、ストロボ同調撮影をするわけですが、そのようにして撮った写真は、定常光の影響を受けてストロボの光が少ししか利いていません。ストロボ光を利かしすぎると、近景と遠景の明るさと色調の差がハッキリして不自然な写真になってしまうからです。
このようなミックス光の下で撮影するときは、ホワイトバランスをAUTOに設定した方が無難ですね。ホテルの宴会場で式典を撮影するときも、赤みの強い写真になってしまいますので、この補正の仕方も、Photoshopでレベル補正のパレットを開いて、RGBのRだけ個別に補正します。

改善して欲しい三つ目は、画像のシャープさの向上。

S2Proで撮影時のファンクションメニュー設定で、シャーブネスをOFFにしていると、レンズにソフトフォーカスのフィルタを装着したような、ボヤッとした感じに写りますので、スナップ撮影や報道的な撮影ではCCD-RAWで撮影する時でも、HARDに設定した方がいいでしょう。

HARDにしても、まだ画像のシャープさがやや不足していますので、Photoshopのメニュー・バーから、フィルタ/シャーブ/アンシャープマスクを少し適用します。
アンシャープマスクのパレットで、プレビュー画像を見ながら、通常は適用量が75%、ピクセル半径が1.1〜1.2ピクセル、しきい値が0、この程度の効果に留めておきます。アンシャープマスクを過度に適用すると、境界線の輪郭が不自然に目立ちすぎたり、偽色も発生します。
Photoshopでアンシャープマスクを適用するのは、 他の画像処理がすべて終了してから行って下さい。

改善して欲しい四つ目は、ストロボ同調のシャッター速度の高速化

S2Proでは、大型ストロボ(バルカー)でも180分の1秒でも同調しますが、なぜか専用ストロボ(SB-80DXでは自動的に125分の1にセットされてしまいます。180分の1にしては?(次期、S3Proは、ストロボ同調のシャッター速度が180分の1に改善されました)

S2 Proと同じカメラボディを使ったNikon D100が180分の1までストロボ同調するので、S2 Proでシンクロテストをしてみました。SB-80DXをS2 Proに取り付けて、カメラの露出モードをAE(S,A,P)にすると、シャッター速度の上限が自動的に125分の1に固定されてしまいます。
ところが、S2ProのダイアルをMモードにして、他社の汎用ストロボ(ナショナルPE-563)やスタジオ用のバルカーで同調テストをしてみたところ、180分の1まで完全同調(先幕シンクロ)しました。
カメラのファームウェアをアップグレードして、Nikon製の専用ストロボが180分の1で同調するように改良して欲しいところですね。

以上、S2Proで撮影した時の印象や基本的な画像処理について述べましたが、カメラマンの仕事は多岐に亘っています。ぼくの画像処理の方法は万人向けではありませんが、一つでもお役にたてれば光栄です。

2004/4/8, 7/29,12/8,2008/4/3に一部修正・2014年に更新:尾林 正利


 
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