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Super CCD Honeycom SR2搭載で、S2Proとほぼ同価格

「画像革新」の FUJIFILM FinePix S3Pro




 

2004年11月30日、待望のFUJIFILM FinePix S3Proが販売開始されました。
初期出荷分は、発売一週間後には大手量販店などでは完売し、ぼくも何とか12月6日に一台購入することができました。

S3Proは、新開発のイメージセンサ「Super CCD Honeycom SR2」と、さらに進化した14ビットADコンバータの搭載を除けば、カメラボディと付属のソフトウェアの使い勝手をさらに向上させたリニューアルモデルですね。性能がS2Proより、はるかに向上して、実売価格がS2Proとほぼ同じなのですから、メーカーさんのご努力のお陰でしょう。

S2Proより背が4.3ミリ高くなったので、レンズを装着したままでは、ぼくが普段愛用しているアルミケースにペンタ部分が当たって入らず、好天時の取材用に新たに布製のカメラバッグを買いました。なお、写真のS3Proに装着したレンズは、AF-SED Zoom-Nikkor 17-35mm f2.8Dです。このレンズは写りが大変良く、ぼくの「標準(常用)レンズ」です。SuperCCD Honeycomとの相性もいいですね。

S3Proの背面デザインや材質は少し手直しされ、ボタンの配置やスロットカバーの操作はし易くなりました。とくに右手親指の当たる凹み部分に滑りにくい材質が使われているので、ホールド感が向上しましたね。
今回採用された液晶モニターは、S2Pro搭載のものより、画素数が倍増して、適正露出の判断がしやすくなりました。
カメラマンにとって有難いのは、電源が1系統になって、単三形ニッケル水素電池4本でカメラ制御と画像処理が出来るということです。S3Proでは、高価なCR123A電池は不要です。

カメラ:Fuji FinePix S2Pro
レンズ:AF Micro Nikkor 60mm f2.8D
ライト:フォトナ サイクロン2400,バルカー・ヘッド2灯
2004年12月7日 撮影:尾林 正利

今宮戎神社の十日戎・宝恵駕籠巡行をS3Proで撮る


道頓堀に繰り出す芸妓さんたち


上の写真は、毎年正月明けの恒例行事として十日戎の宝恵駕籠巡行が、宗右衛門町の料亭「大和屋」さんの玄関前から出発します。
景気の良かった頃は3挺の駕籠が出たのですが、ここ10年は一挺の場合が多いようです。
「年の初めの、えべっさん、商売繁盛で、笹持て来い!」を南地花街の芸妓(げいこ)さんたちが賑々しく囃しながら行進します。
途中で休憩する場所があって、前回取材したときは、鏡開きを撮っていたら、宝恵駕籠に乗った祐子さんが、「カメラマン様もどうぞ!」と言って、お酒を注いで戴きました。正月から験がよろしい。

カメラ:Fuji FinePix S3Pro
レンズ:Ai AF-S Zoom-Nikkor17-35mm f/2.8D IF-ED
撮影年月日:2005年1月11日朝9時〜10時
撮影:尾林 正利


Super CCD Honeycom SR2搭載「画質革新」デジタル一眼レフ

わが愛機 Vol.3 FUJIFILM FinePix S3Proの購入使用リポート

2004年12月7日初稿、2014年2/25に更新:尾林 正利

2004年3月、東京お台場の国際展示場で「フォト・イメージング・エキスポ(IPE)2004」が行われた際に、富士フィルムさんのブースで発表のウワサがあったデジタル一眼レフカメラ・FUJIFILM FinePix S3Pro(以下S3Proと省略)が、新開発のイメージセンサー「Super CCD Honeycom SR2」を搭載して、ようやく2004年11月30日に発売されることになりました。(※SR2の2はローマ数字のIIですが、MacとWIN間では文字化けしますので、英数字の表記にしました)
気になる価格は、オープン価格の26万円前後(税込み)で、前モデルS2Proの税込実売価格とほぼ同じでした。

S3Proでは、S2Proをベースにして、カメラボディや付属ソフトウェアの使い勝手が新たに見直され、イメージセンサーやADコンバーター(アナログデータをデジタルデータに変換するグラフィックエンジン)の性能がアップしても実売価格がほぼ同じなので、ぼくのようなS2Proのユーザーにとっては朗報でした。

ちょうど、S3Proの発売開始日にはタイミング良く、大阪市北区梅田のフジフォトサロン(現在は中央区備後町にある大阪支社の1Fに移転)で、試写可能なS3Proのデモ機1台と、S3Proで撮影したと思われる、B1サイズ(びーわん:728×1030mm:サイズの寸法を”ナニワの父さん”とおぼえておくこと) に大伸ばした、女性モデルのファッション写真( FinePix S3 Proのカタログの作例写真に使用されているもの)が展示してあるというので、久し振りに大阪のフジフォトサロンに行って、S3Proのキャッチフレーズになっている「画質革新展」を観ることにしました。

なお、展示プリントは、FUJI FILMさんの関連会社『富士フィルム・イメージテック社」による、レーザー感光銀塩ダイレクトプリント(レーザー・グラフィック・プリント)で、色が鮮やかでとても美しかったです。プリントサイズは、1200×5000mmまでが可能のようです。

会場に展示してあった、B0 (びーぜろ:1030×1456mm)サイズのプリントは、従来のデジタルカメラ(ダイナミックレンジの広いデジタルパック式は除く)の短所である、白トビ(ハイライト部のトビ)・黒のツブレ(シャドー部のツブレ)の発生が少なく、階調が大変なめらかで、解像力も針のようなピントが来ていて、とてもシャープでした。同社の中判カメラ・FUJI GX-680を使って極超微粒子のベルビアで撮影したような出来でした。

ぼくの経験上、愛機にしていた銀塩フィルムカメラ・FUJIFILM GX-680でフジクローム・プロビアを使っても、原板サイズの6×8センチ判でほぼノートリミングなら、B1ポスターの伸ばしには十分な高画質が得られています。会場に展示されたプリントの画質を見ると、S3Proの画質は、同社の中判カメラ、GX-680の画質〔ピントのシャープさと階調のなめらかさ)に匹敵しますね。

ただし、誰が撮っても、誰がプリントしてもそのような結果が得られるのではなく、デジタル撮影に精通したプロカメラマンと、大伸ばしのプリントに精通した技術者のコラボレーションが必要なのは言うまでもありません。
プロカメラマン向けの写真誌、玄光社発行のコマーシャルフォト2004年11月号に、S3Proの特集記事(広告記事)が掲載されています。
記事を読んでみますと、S3Proは、ファッション写真やコマーシャルフォト(広告写真)向けのデジタルカメラとして開発されたのでしょう。
また、ハイ・アマチュアの方でプリントの画質にこだわる方にも、S3Proは価格が手頃で?性能も良く、お薦めのカメラのようですね。

ぼくはS2Proの愛用者であり、S2Proで少々物足りなかった部分をFUJI FILMさんのカメラ開発部門宛へFAXで送って、時期モデルにはぜひ改善して頂きたいとお願いしていたのですが、S3Proでは、その殆どが手直しされ、大変うれしく思っております。価格面からみて、ほぼ満足のいく状態に仕上がっているように感じ、早速購入することにしました。

ヨドバシカメラなどの大手量販店などでは、WEBサイト上でもS3Proの事前購入の予約受付をしており、購入希望者が多かったようで、発売開始の数日後には一部の量販店では完売していました。ぼくも他店で何とかS3Proの新品一台を探して手に入れることができました。購入を急いだのは、お正月からS3Proを使いたいので、年内にカメラに慣れておきたかったからです。
それでは、S2Proと比較して、S3Proではどんなところが改良されたのかをじっくり観ていきましょう。

先ず、外観が変わり、カメラの高さがS2Proより高くなって、愛用しているロックスのサファリケースにカメラボディを立てて入らなくなり、おお困り。カメラを構えてみた印象は、カメラのグリップ部分の表面は滑りにくい素材が使われており、右手の親指がカメラ背面の凹みにスッポリ収まって安定感がありますね。
但しグリップ部分が大ぶりなので、握力が弱く手の小さな女性カメラマンには、ホールドし難いかも知れませんが、ぼくは手が大きいので、カメラをホールドしやすいです。
それに、カメラ背面のボタン位置やCFカードなどのスロットカバーのデザインも使いやすくなっていますね。
シンクロターミナルの位置が、カメラ側面上部からカメラ前面上部に変更され、S2Proには無かった10ピンのリモートレリーズ端子がカメラ側面下部に新たに増設されました。

カメラコントロール(液晶モニターでメニューの設定、背面表示パネルでファンクション設定など)の設定方法は、S2Proに慣れた方なら、使用説明書を見ないでも簡単にできますよ。
また、S3Proに同梱されているCD-ROM「FinePix Viewer」に付属のRaw File Converter EL版は、数十コマのRAWデーターを一括してTIFFファイルに変換(バッチ処理)してくれるので大助かりです。

カメラ側でカラースペースを商用印刷に適したAdob RGBに設定しておくと、TIFFファイルのアイコンにAdobe RGBのマークがついて、Adobe Photoshopとの連携がスムースになりました。但し画像をWEB使用やホビーユースのプリンターで出力するときは、ディフォルトのsRGBモードにしておきましょう。

因みにS3Proのディフォルト設定になっているsRGBのカラースペースで撮影すると、Adobe Photoshop側のカラー設定で、Adobe RGBに設定している場合)で作業する時に、いちいちカラースペースを変換しなければならず面倒くさいです。Adobe Photoshopで画像処理されているカメラマンなら、最初からAdobe RGBのカラースペースで撮影しておいた方が効率的で、しかも、カラースペースの変更によって色調が変わらず安心ですね。(※Photoshop側のカラー設定をsRGBにされている方は、S3Proのカラー設定をディフォルトにしておきます)

S2Pro付属のFinePix Viewerでは、カメラから画像データをパソコンに送っても、ファイルが自動的にコピーされなかったのですが、S3Proでパソコンに画像転送すると、FinePix Viewerのフォルダ内に自動的に日付の付いた転送ファイルがコピーされます。

画像転送が済んで、パソコンのデスクトップ上にコピーが終わると
「画像の取り込みが終了しました。リムーバブルディスクをデスクトップから外しますか」の表示が出て、「OK」をクリックすると、S3Rroの背面モニターに”CFカード・トリハズシOK”の表示が出ます。これで、FireWireやUSBのコードをカメラから外すことができます。ということで、S3Proとパソコンの接続・切断が判りやすくなって、使いやすくなりました。
このように、カメラボディとソフトウェアの使い勝手が良くなったというのは、好感が持てますね。

12月6日に買ったのは、取り敢えず、S3Proボディ一台とサンディスク製のウルトラ2のCFカードだけだったので、別売の「ハイパー・ユーティリティー・ソフトウェアHS-V2 Ver.3.0」については、後日に購入してからご報告したいと思います。

S3Proで大きく改良された所は、ぼくが買ってから気付いた所をピックアップしてみると、

1番目の改良点は、イメージセンサーのアップグレード、Super CCD Honeycom SR2の搭載ですね。

S3Proでも、35ミリ判フルサイズのイメージセンサーの搭載は見送られましたが、その代わりにスーパーCCDハニカムのフォトダイオード(画素成分)の集積度が二倍になって、S2Proでは、有効画素数が617万画素であったものが、S3Proでは有効画素数が1234万画素に達しています。

FUJI FILMさんにお問い合わせしてみると、S画素とR画素が常に同時に働いて617万+617万=1234万画素の解像度になっている訳ではないそうですよ。
S3Proに搭載された、新開発のイメージセンサーのSuper CCD Honeycom SR2は、一つの単板上に役目の異なる二種類の画素を埋め込んだ、ダブル画素構造になっているのです。

このダブル画素構造とは、画像解像度に影響する高感度なS 画素(大きい方)と、ダイナミックレンジの幅を標準の2.3倍と4倍に調節するR 画素(小さい方)で構成されていることです。

イメージセンサーに集積されている6μm × 6μm 〜 12μm×12μmミクロンの微細なフォトダイオードの受光面には、光の強弱の階調しか記録できない、モノクロセンサーなので、カラー画像が再生出来るように、一粒一粒の受光面にRed、Green、Blueのフィルターを貼って、交互に配列してあるのです。フォトダイオードにフィルターが貼ってあると、生よりも感度が落ちて階調が硬くなります。そこで、フォトダイオードにフィルターを貼ってないものを隣に加えると、感度が上がって階調は軟らかくなるというアイディアを活かした撮像板が開発されたワケです・・・「画像革新」。

S画素の働きは、S2Proと同じく、ハニカム信号処理による補間技術で617万画素のほぼ2倍の1210万画素の解像力(記録画素数)があり、R画素の方は画像解像度には関係なく、カメラ側の設定でダイナミックレンジをワイドしたときだけに働き、RAWデーター、JPEGデーターにも適用できて、画像の階調が2.3倍から4倍に広がります。階調をなめらかにする(ダイナミックレンジを拡げる)ことによって、中判カメラに匹敵するような画質が得られるのです。

また、S3Proのカタログ記事によりますと、(※1:ADコンバータなどの)画像処理システムを進化させて、CCDから得た光の情報を判断する「シーン解析データ処理プロセス」では、新ノイズフィルターの採用によりノイズの発生を極限まで抑制し、またS/N比を大幅に向上させることで解像感をアップしているそうです。

(※1:イメージセンサのスーパーCCDハニカムSR2から出力される光電変換による電荷の量はアナログデータです。これをADコンバータというチップで、デジタルデータに変換します。)

「1画素=1粒のフォトダイオード(受光部の面積が数ミクロンから十数ミクロン)」の受光した電荷を増幅し、最大で14ビット(16384階調)のデジタルに変換するには、優秀なADコンバータが必要です。S3Proには性能の優れた14ビットのADコンバータが使われているのでしょう。
(因みに、S2Proでは12ビット(4056階調)のADコンバータ使用)

ところで、S2Proでは"TIFF-RGB"のモードがあったのですが、最高画質のデータサイズが35.5MBと大きく、一回シャッターを切ると、マイクロドライブの書き込みに約25秒も掛かりました。つまり、TIFF-RGBの最高画質の設定にすると、約25秒に一回しかシャッターが切れず、被写体が限られていたのです。撮影時に書き込み時間の掛かるTIFF-RGBモードは、S3Proでは廃止されました。

2番目の改良点は、S3Proの電源回路が一系統になって、充電式・単三形ニッケル水素電池4本(HR-AA)だけで、カメラ制御と画像処理ができるようになりました。

これで、値段が高くて消耗の早いCR-123A電池は不要になりました。S2Proでは二種類のスペア電池の携行が必要だったのですが、S3Proでは一種類だけでよく、経済的になって助かります。S3Proを買うと、今まで別売だった充電式・単三形ニッケル水素電池の充電器も同梱されています。
また、S3Proでは、カメラ側で内蔵電池を強制放電させる機能が付き、電池を完全に空にしてから充電できるので、電池が長持ちします。

3番目の改良点は、S3Proの見易くなった光学式ファインダーと、露出の判定がしやすくなった液晶モニタの改善ですね。

S2Proよりは、光学ファインダーの視野が2〜3割ぐらいは画像が大きく見えて、S3Proではマニュアルフォーカスにして精密なピント合わせが少しラクになりました。
しかし、この程度のファインダー視野では、まだベストとは思えませんね。やっと、当たり前の性能になったんですから。光学ファインダーの視野の見易さは、プロカメラマンにとっては最も重要視するポイントですので、まだまだ改善の余地はあると思います。

S2Proのユーザーガイド(使用説明書)にはファインダ視野の倍率は記載されていませんが、S3Proでは約0.8倍になってるそうです。ぼくはFUJI FILMさんに、シャッターを切った時に、ファインダー視野の上部に録画確認用のターリーランプを点けて欲しいとお願いしていたのですが、今回は見送られました。残念ですね。次回に期待しましょう。

S2Proでは、1.8インチ型11万画素の画質の荒い液晶モニタが付いていたのですが、S3Proでは液晶モニタの画質も格に向上して2インチ型23.5万画素になり、適正露出の判断がしやすくなりました。とくにストロボを使ったスタジオ撮影(マニュアル撮影)などには有効だと思います。なお、液晶画面の明るさは調整できます。

スタジオ撮影でフィルム撮影がメインの時などは、S3Proは精度の高いインスタントカメラとしても使えますよ。
S3Pro液晶画面にズーム機能と上下左右のスクロール機能があるので、それを見ながら、ストロボ電源の出力をコントロールして、ライトコントラストを微妙に調整することもできます。

但し、CCDの実効感度とフィルムの実効感度に差がありますので、本番前にデジタルのテスト撮影と、本番用のフィルム乳番のテストデータを比較することによって、適正露出の目安を知っておく必要があります。また、S3Proの液晶モニタは、ビデオカメラのようなプレビュー(マニュアルフォーカス時・30秒間のモノクロ表示)機能も付きました。

4番目の改良点は、S3Proに10ピン・リモートレリーズ端子が増設されました。

S3ProのカメラボディはNikon F80のボディを改造したものですが、ワンランク上のNikon F100に近づきました。これは、S2Proユーザに多い、天体写真撮影のユーザーに対応したものでしょうね。10ピンコネクタを利用すれば、Nikon製のインターバル・タイマーを使った無人撮影などが行えるからです。
現時点では、Nikonさんはインターバルタイマーの製造はされていませんが、NikonDシリーズカメラに対応した製品も販売されるかも知れませんよ。
なお、Nikon製のリモートコードMC-20などを使用する時は、ノイズ防止の為、S3Proに同梱されているクランプフィルタを装着する必要があります(使用説明書60ページ)

5番目の改良点は、S3Proはストロボ(スピードライト)のシンクロ同調シャッター速度が180分の1秒になりました。

実は、S2Proでも180分の1のシャッター速度でバルカーに同調しますよ。ナショナルPE563でもOKです。しかし、Nikon専用のスピードライトを使う時は、自動的に125分の1秒に設定されてしまいます。S2Proの場合は、ファームウエアのアップグレードで改善される筈ですが、何ででしょうね。Kodak DCS Pro SLR/nならイメージセンサーが35ミリ判フルサイズなので、シンクロ同調速度を180分の1秒に出来ない理由は判るのですが。

なお、S3Proのシンクロターミナルの耐電圧は、DC40V以下なので、旧式のバルカー電源部ではシンクロ電圧が高い(DC60V)ので、接点の焼損事故に注意が必要です。スタジオ撮影のカメラマンは、お使いのストロボ電源部のシンクロ電圧をご確認された方がいいでしょうね。

6番目の改良点は、S3Proはパソコンへの画像転送インターフェースがIEEE1394(400)とUSB2.0に対応しました。S2ProではIEEE1394(400)とUSB1.0だったのですが、USB規格がUSB2.0に高速化されました。

7番目の改良点は、縦位置用のシャッターボタンがカメラ側面の底部に設けられました。

ぼくは、縦位置で撮ることは少ないので、使用機会は少ないと思いますが、あれば便利ですね。縦位置用のシャッターボタンで撮ると、液晶モニタ上では、画像は倒れたままですが、"FinePix Viewer"のブラウザでは縦位置に変換することができます。(RAWデータは、Raw File ConverterでTIFFに変換してから)

8番目の改良点は、S3Proがマイクロドライブよりも書き込みの早いCFカードにも対応しました。

但し、FUJIFILMさんでは、CFカードの動作保証はしていませんので、CFカードを使って撮影トラブルの際は、自己責任になってしまいます。レキサー社製など、一部のメーカーさんのCFカードが使えないものもあるようなので、これもFUJI FILMさんのWEBサイトで公開(2004/12/1〜)されていますから、お調べになりたい方は、アクセスしてみて下さい。

また、別売の「ハイパー・ユーティリティ・ソフトウエア HS-V2」を使えば、一つのメディアでCCD-RAWとJPEGの同時記録も可能なようです。これは、EPSファイル形式と同じようなもので、RAWデータの画像表示用に描画の早い軽いデータを書き出せて、RAWデータから分離できるようにしたものです。

9番目の改良点は、S3Proでは別売の「ハイパー・ユーティリティ・ソフトウエア HS-V2」がVersion 3.0になりました。

因みに、ぼくはS2Proを買った時、別売の「ハイパー・ユーティリティ・ソフトウエア HS-S2」Version1.0を購入しました。HS-S2はMacOS9.2にも対応していたのですが、HS-V2 ver.3.0はMac OS-X ver10.3"Panther"にしか対応していません。PowerMacG4でMacOS9.2を使っているユーザーは多く、早く対応して頂きたいものです。

ぼくは、デジタルコンテンツの画像処理にPowerMac G4をMac OS9.2.2環境でで使っていますので、新発売のHS-V2 ver3.0がインストール出来ないのです。
ということは、ぼくのMacをMac OS-X ver.10.3"Panther"にアップグレードしなければならないので、15,000円ほど余分な出費が掛かってしまいます。(2006年3月から、ぼくの事務所でもPower Mac G5、Mac OS-X wer.10.4.9で画像処理するようになりました)

S3Proには、Windows98SEやMacOS9.2.2にも対応した、カメラ同梱のソフトウエア「FinePix Viewer」にRaw File Converter ELがバンドルされていますので、RAWデータのAUTO,WIDE1,WIDE2から8ビットRGB・TIFFファイルの書き出しは可能です。RAWデータのダイナミックレンジのワイドを14ビットRGB-TIFFデータに変換したい場合は、OSを"Panther"にアップグレードして、HS-V2 ver.3.0を購入しなければならないでしょうね。

S3Proを買って楽しみなのは、「画質革新」を体験することです。S3Proを未だ買って間もないので、時間の余裕があるときに、S2Proとの比較テスト撮影などをして、後日WEBインフォメーションのページに掲載したいと思っております。2005年1月11日にS3Proを使ってスケッチ作品の「今宮神社の十日戎」に掲載しました。画像をかなり圧縮していますので、S3Proの良さはわかりませんが、ぜひご覧下さい。S3Proは、JPEG/12メガピクセルの設定で撮影しても、後でPhotoshopで画像処理すれば、A3ノビまで伸びますよ。



2004/12/7:初稿 2004/11/18 2014年2月25日更新:尾林 正利


 
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