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標準ズームEF24-105mm f4L IS USM 付きセットで、EOS5Dボディと、ほぼ同価格を実現!

ハイビジョン動画も撮れる Canon EOS 5D Mark II (Mark2)


上の写真のように、写真取材に2本あれば、憂いなし! EOS5Dを愛用していた時は、画質優先で標準ズームにはEF24-70mm f2.8L USM、望遠ズームにEF70-200mm f2.8L IS USMを使っていて、レンズの描写力に満足していましたが、WEBコンテンツ制作の仕事が多い現在では、取材時の機動力を考慮して、レンズ重量が軽くて、手ブレ防止のついた標準ズームEF24-105mm f4L IS USMと望遠ズームのEF70-300mm f4-5.6L IS USMを使っています。2本とも手ブレ防止付きです。望遠ズームの方は、シャッタースピードを30分1秒にして設定しても、500分の1秒でシャッターを切った時の静止効果があるようです。4段の手ブレ補正は有難いですね。
とくにEF70-300mm f4-5.6L IS USMは、キャノンさんのショウルームで試写させて貰って気に入り購入したものです。

標準ズームのEF24-105mmにはズーム両端では画像四隅に発生するの歪曲収差(タル型と糸巻き型)がちょっと気になりますが、建築物を撮影して歪曲が目立つ時は、今なら画像ソフトのAdobe Photoshop CS2以上で少し補正できますので、何とかなります。
2010年に新発売された望遠ズームのEF70-300mmを使ってみますと、価格の割にはかなり高性能で、AFの合焦スピードが素早く、300mmの望遠端で1.2mも近寄れ、70ー200のズームより、望遠端の300mmは使い勝手がありますし、手ブレ補正が4段まで効きますので、5D Mark2のISO感度の設定でISO6400の感度と上手く併用すれば、手持ち撮影の幅がグーンと増えます。

カメラ:Canon EOS 5D Mark2
レンズ:EF 50mm f2.5 コンパクトマクロ
撮影日:2011年6月21日
撮影者:尾林 正利


EOS 5D Mark2で、0℃以下の厳冬期のロケは、バッテリーに寒さ対策を。
バッテリーグリップBG-E6を使えば、撮影直前まで電池を服のポケットで保温できる。


2012年のお正月が済んで、ふと岐阜県の白川郷へ雪景の白川郷のライトアップの写真を撮って見たくなり、ダメ元で、白川郷の民宿や旅館に宿の手配をしたところ、1軒が2月5日の日曜の夜なら予約出来たので、近くのホームセンターへ行って、夜の雪道を歩く、冬の旅支度をしました。
もちろんEOS 5D Mark2にも防寒対策が必要で、バッテリー対策を考えました。専用バッテリーパックLP-E6を1個装填でも5D mk2は正常に稼働しますが、寒冷地での撮影ではフル充電のLP-E6を2個装填した方が安心です。さらに低温の時は、低温に強いニッケル水素電池を試して下さい。単3アルカリ電池は寒さに弱いです。

カメラ:Canon EOS5D Mark2
レンズ:EF50mm f2.5コンパクトマクロ
露出:シャッタースピード優先AE
撮影年月日:2012年1月17日
撮影:尾林 正利


コンパクトで描写性能が良いEF70-300 f4.5-f5.6L IS USMレンズ



上の写真は、EF70-300mm f4ー5.6Lのレンズ側面に付けられているAFボタンと手ブレ防止ボタンで、モード2にセットすれば、水平方向の流し撮りも可能です。
価格がほぼ同じのEF70-200mm f4L IS USMと見比べますと、EF70-300mm f4ー5.6Lは重くて鏡胴も太いですが、EOS 5D Marki2と一緒に使った時のAFの合焦速度はEF70-200mm f4L IS USMよりは速いです。
最近は女性のプロ・アマのカメラマンが激増していますが、手の小さい方は、鏡胴が太さがちょっと扱い難いかも・・・。テブレ防止が4段まで効くので助かっています。レンズを使わない時はレンズ前群の鏡胴が不用意に下垂しないようにロックしておきます。

カメラ:Canon EOS 5D Mark2
レンズ:EF 50mm f2.5 コンパクトマクロ
露出:シャッタースピード優先AE
撮影年月日:2011年7月24日
撮影:尾林 正利


Canon EOS5D Mark2と標準ズームEF24-105mm f4L IS USMの作例写真1
白川郷のライトアップ


上の写真は、岐阜県にある世界遺産の合掌造り集落の白川郷で、週末の土日に行われるライトアップイベントを5Dmk2にEF24-105mm f4Lの標準ズームレンズで撮った、2012年2月6日夕方5時半頃のライトアップの写真です。
三脚持参のリュックを担いだアマチュアカメラマンが100名ほど午後2時から展望台前の駐車場に並び、夕方5時には300名ほどが狭い展望台に押しかけました。ぼくは並んで待つのが大嫌い。だから夜景でも手持ち撮影です。ISO6400にして、レンズの手ブレ防止を配慮して30分の1秒でシャッターを切りました。やはり、画像を大きくすると、高感度ノイズが出てますし、実際の景観と写真とはチョット違いますね。

カメラ:Canon EOS 5D Mark2
レンズ:EF 24-105mm f4L IS USM
露出:シャッタースピード50分の1: ISO感度6400:高感度ノイズ低減;標準(”する”に設定するのを忘れてました)
撮影年月日:2012年7月5日17時50分33秒
撮影:尾林 正利


Canon EOS5D Mark2の夜景の作例写真2
大阪ミナミ・道頓堀の戎橋界隈の夜景

EOS 5D Mark2とEF24-105mm f4L IS USM、スピードライト580EX-2を2009年1月17日にゲットしましたので、試し撮りのため、2009年1月20日に大阪ミナミの夜景の名所「戎橋(えびすばし)」のある道頓堀へ出掛けて道頓堀のネオンサインを手持ちで撮ってきました。戎橋は、阪神タイガースが1985年に「日本一」になって、この橋の欄干から阪神ファンが、当時は汚かった道頓堀川に飛び込んで有名になった場所ですが、2011年に橋のデザインが大きく変わって両岸に遊歩道が出来てキレイになっています。また水質の浄化工事も行われているようです。

WEBページ上では、JPEGに圧縮した画像なので、夜空に建っているビルのシャドー部が少し潰れて、夜空とビルの境界が不明瞭になっていますが、オリジナル画像は、シャドーの階調は掲載画像よりもはるかになめらかで、夜空とビルの境界もハッキリとしています。

上の作例写真では、撮影時の感度をISO6400に設定し、シャッター速度200分の1秒、絞りはf11、スピードライトは580EX-IIを発光させています。
2009年時点で40年以上もプロカメラマンの仕事をしていて、ISO (ASA) 6400の高感度で撮影したのは初めてですね。作例写真の現場では、背景のネオンサインの方が明るくて、手前の歩道を歩く人物が暗いので、スピードライトを発光させないと人物が黒く潰れてシルエットになってしまうので580EX-2を使ったわけです。

今までは三脚がないと、上のような写真は撮れませんでしたが、2009年から、上のような夜景でも200分の1秒のシャッターが切れるので、手持撮影が可能になりました。デジタル写真の進歩に驚いてしまいます。
感度拡張モードのISO12800(H1モード)やISO25600(H2モード)の超高感度撮影では、ISO400の高感度カラーリバーサルフィルムで2段以上増感した時ような画像のざらつき(ノイズ)が出ましたので、特殊な表現目的以外はISO6400以下で使った方が賢明だと思います。
2100万画素による画質は、かなり高精細で用途が広がりますね。2100万画素でISO 6400が使えるとなれば、鬼に金棒だと思いました。


望遠ズームEF70-300mm f4-5.6L IS USMの作例写真3
鎌倉の長谷寺で撮ったアジサイ


標準ズームEF24-105mm f4L IS USMの作例写真4
鎌倉の長谷寺で撮ったアジサイ


上の写真は鎌倉で撮ったアジサイの花です。奈良県桜井市初瀬にある長谷寺は「ボタン」で有名なお寺ですが、鎌倉の長谷寺は「アジサイ」で有名なお寺です。鎌倉へは、1959年に、中学2年の修学旅行で、旧国鉄の155系「きぼう号」という修学旅行専用列車で熱海まで行き、箱根の強羅に泊まって翌日は、バスに乗って鎌倉大仏を見学したのを憶えております。
鎌倉駅の近くには鶴岡八幡宮があって、そこに行ったのかどうか憶えておりません。半世紀ぶりにもう、一度鎌倉へ行ってみたくなり、江ノ島近くの旅館を予約し、新幹線で小田原まで行ってJR在来線に乗り換えて、記憶の薄れた鎌倉へアジサイを見にいきました。
江ノ電は一日乗車券を買って、鎌倉の名所を訪ねました。ぼくが行った時はアジサイが見頃の観光シーズンで、観光客が多くて写真を撮る気持ちにはなれませんでしたが、望遠ズームは300mmで12cmも寄れるので、アジサイのクローズアップを撮ってみました。レンズの発色は、EF70-300mm f4-5.6Lズームの方が良いですね。長谷寺で「オバマ茶(おばまっちゃ)」というソフトクリームを舐めていると、宇治市のアジサイの名所、三室戸寺の境内で「抹茶ソフト」を舐めている光景を思い出しました。

カメラ:Canon EOS5D
レンズ:EF24-70mm f2.8L USMとEF70-300mm f4-5.6L IS USM
撮影年月日:2011年6月15日
撮影:尾林 正利


わが愛機 Vol.6
Canon EOS 5D Mark IIと、標準ズーム・EF24-105mm f4L IS USM)紹介
New望遠ズーム・EF70-300 f4-5.6L IS USM の使用リポート

2009年1月20日初稿、2014年2月14日に更新: 尾林 正利

2008年の11月23日と24日にかけて、JR大阪駅北出口から北西へ徒歩15分の場所にある、地上40階建ての屋上連結高層ビル「梅田スカイビル(ツィン・タワー)」のタワー・ウエスト(西棟)で、Canon EOS 5D Mark2の新発売に先立って同機のプレミアム発表会が二日間行われました。
因みにキヤノンさんでは、EOS 5Dを「イオス ファイブ ディー」と呼んでいます。「ゴー ディー」とは発音していません。

余談ですが、ぼくも時々行く「梅田スカイビル」は、世界的に著名な図鑑出版社のドーリング・キンダースリー社から2008年に世界中で選んだTOP20の建造物の中で,第17位の建造物(原 広司氏設計・竹中工務店などが建設)として列挙され、昨今では、全世界からこの梅田スカイビルを見物にやってくるようになり、大阪市は思わぬ名誉に、えびす顔になっています。

このEOS DIGITALの発表会情報は、キヤノンさんのWEBサイトで知り、インターネット上に掲載された講演会の入場券に該当する「EOS 5D Mark2スペシャルBOX引換券」とデザインされた部分をプリントアウトして会場の受付(3階ロビー)で渡せば、写真家の十文字美信氏などがEOS 5D mark2で撮ったカタログ作例写真解説の講演会に無料で入れるというので、ぼくも、十文字氏が講演される23日の朝11時前に行ってみることにしました。

大阪でのプレミアム発表会は、十文字氏の講演会とEOS 5D Mark2の展示会が、同じビルの別の会場で行われ、講演会の方は展望の良いタワー・ウエスト36階の会議室で、展示会の方はタワー・ウエスト3階の大会場「梅田ステラホール」で開催されました。
ステラホールの方は、入口のギャラリーコーナーでEOS 5D Mark2で撮った写真展、実写コーナーでは振り袖姿に着飾った二人のモデルさんを囲んで、新製品を使ったミニ撮影会も行われていて華やかなムードがありました。
もちろん、説明員のいるハンズ オン コーナーのカウンターには、デモ機のEOS 5DMark2が多数並んでいて、自分の好きなEFレンズを装着して自由に触ってみることができました。

キャノンさんの発表によると、EOS 5Dの後継機・EOS 5D Mark2はプロ機としてではなく、セールスの中心になるハイアマチュア層のユーザーを対象として商品開発されたそうですが、EOS 5D Mark2の完成度の高さからみて、アマチュア向けの中級機だから「この程度でいい」と言うような妥協は殆どないような気がしました。
もちろん、マルチCPU搭載のEOS-1D Mark3やEOS-1D Mark4、EOS-1Ds Mark3に比べるとAFの合焦スピードや精度は劣りますが、EOS5Dのように、使っている内に「愛着」が湧くカメラに仕上がっています。

その背景には、時々キヤノンサロンなどに立ち寄って、アマチュアさんが主催されている写真展などを観ていると、今や日本のハイアマチュア層の写真表現レベルは、プロと比肩するぐらいのカメラアイと美的な構図のセンス、撮影技術を持った方々もおり、多くのアマチュアが愛用する中級機にもプロ機(EOS-1Ds Mark3)に近い性能やスペック(製品仕様)が求められているからでしょう。

2008年秋、アメリカの金融危機(リーマン・ショック:リーマンブラザースの倒産)に端を発した世界同時不況の影響で各国国民の消費が急激に収縮しました。

2008年当時、高額商品の買い控えは、とくに自動車業界が減産を余儀なくされて苦境に立たされていました。
自動車は買った時点から、自動車取得税、自動車税、自動車重量税、消費税、自動車登録手数料、法的加入の自動車賠償責任(自賠責)保険、任意加入の自動車保険、車庫証明費、月極車庫代、ETC契約費、高速代、ガソリン代、自動車ローンなどが掛かるからでです。
自動車は便利で、公共交通機関網が発達していない地方では生活必需品の乗り物になっていますが、非常に金食い虫です。そんな金食い虫であっても、自動車にはそれを上回る言葉では言い尽くせない様々な魅力があるから、ぼくは39年間も毎年のように、大阪府に自動車税を払い続けてきたんです。

その点、カメラは買った後に、カメラ税とかカメラ保険(任意の動産総合保険はある)というような費用が法的に掛かかりませんが、カメラを買ったら、それで終わるのではなく、交換レンズやストロボなどが欲しくなって出費が増えます。
また、カメラを持つと旅費も増えます。カメラ機材が増えると自動車が欲しくなります。
デジタルカメラになって、フィルム費と現像費の出費が無くなって大助かりですが、その代わりに、画像処理のパソコンやソフトウェア、プリンターやインターネット接続環境が必要になってきます。

未露光の写真フィルムには、1〜2年ほどの有効期限(写真フィルム用の冷蔵庫で15℃保管した場合)がありますが、CFカードやSDカードには有効期限は無いし、画像を記録したCFカードのデータをパソコンに転送して保存し、データ保存済みのカードをカメラで初期化すれば何度でも繰り返して使えます。但しCFカードやSDカードは、永久的に使えるものでは無いし、パソコンにも10年ほどの寿命があります。

昨今では、カメラ業界の方も、デジカメ普及機の安売り競争で、メーカーさんも販売店さんも利幅が下がって、商売が大変だろうと思います。
今やケータイのオマケに付いたカメラでも1200万画素・ISO12800対応(2010年2月)の製品も登場していて、技術の出し惜しみや、他社の二番煎じになってしまうと、時代の流れに乗って行けなくなる競争の激しい時代になりました。

今回、キヤノンさんがプレミアム発表会を打って出たのは、プロも注目し、ハイアマチュア層の購買意欲をくすぐる、強力な「タマ」が完成したからです。
その強力なタマというのは、EOS 5D Mark2のことです。2009年の終わり頃になって、EOS7Dが販売されるようになりましたが、それによって、EOS 5D Mark2が色褪せることはありません。35mm判フルサイズのセンサー搭載機に拘るのは、アマチュアさんでもかなりおられると思います。

2008年11月末から発売されたEOS 5D Mark2は、従来機のEOS 5Dとは外観が殆ど変わりませんが、カメラ上部を見ると、キヤノン製スピードライトを装着するアクセサリーシューの接点部が改良され、カメラ背面のカラー液晶モニターが3インチの高精細モニターになって見易く改良された。また、AF-ON(AFスタート)ボタンが新たに付いて便利になりましたが、外観上の大きな変更はないようです。しかし、カメラボディの中身は大幅に進化しているので、マイナーチェンジではありません。中身は従来のEOS 5Dよりもワンランク以上の性能を持った新製品として仕上げられているのです。

EOS5Dを頻繁に愛用していた時は、センサーのゴミ付着に悩み、一ヶ月に一度は、キャノンさんのSSでセンサークリーニングして貰っておりましたが、今回のEOS5D Mark2では、工場出荷時の設定では、カメラ電源のON/OFF時にセンサーのダストクリーニングが自動的に行われて便利になりましたし,購入してから、画像にゴミの付着は無かったですね。初期ロットモデルでは、センサークリーニングの時にブーンというバイブレーションの音がしていましたが、発売1年後の製品では、音や振動が消えました。

EOS 5D Mark2は、目玉(最大のセールスポイント)として、フラッグシップモデルのEOS-1Ds Mark3と同じ2102万画素(5616×3744ピクセル=2102万画素)の35mm判フルサイズ撮像板(CMOS型)を搭載し、RGB各色14ビット(16384階調)のRAWデータ出力が可能になっています。
従来機EOS 5Dの1280万画素(実画像は1271万画素)・12ビット(4096階調)の画質と比べると、解像度と階調の滑らかさが大幅に向上し、今までよりもワンランク上(A2サイズ)の大判カラープリント出力やsRGBより再生色域の広いAdobe RGBのサポートで商業印刷のPS出力にも対応しています。

また、イメージセンサーから記録画像の読み出しは、EOS 5Dよりも2倍に高速化されているそうなので、従来より画像データサイズが2倍近くになっても、EOS DIGITAL〜PowerMacG5、EOS DIGITAL〜MacProへの画像データ転送速度にストレスを感じることはありませんが、容量が2GB以上のカードを使って画像を転送しますと、パソコンのピクデャフォルダ内にはデータが自動転送されるのですが、EOS DIGITALのソフトウェアであるDigital Photo Professionalのブラウザがカメラの性能に追い着かず、開きませんので、こういう場合は手動で、新規フォルダーを作成して1000枚ほどあるファイルを小分けにしなければならないのです。面倒ですね。例えば、フォルダ名を「2013_12_25a」、「2013_12_25b」、「2013_12_25c」と言うふうに・・・。そこに100枚ずつ画像を保存すれば、Digital Photo Professionalのブラウザは、軽快に動きます。

さらに、EOS 5D Mark2には、2009年1月時点ではフラッグシップモデルにはない最新の映像エンジン「DIGIC4」を搭載して、画像処理の高速化(AD変換の高速化)とダイナミックレンジ域の拡張と低ノイズ化を両立させています。画像処理の高速化で、ハイビジョンの動画撮影もできます。さらに、ISO 6400の高感度撮影におけるノイズ低減と長時間露出時の低ノイズ化に対応し、高画質のままで高感度撮影ができるようになりました。薄暮ネオン街や蛍光灯の点いた室内のスナップでも手持ち撮影がカンタンです。夜の580EXを持って行けば、ショッピングモールの撮影に三脚は不要です。

動画に関しては、EOSシリーズとしては初の機能として、ライブビュー機能を使って、4GBのCFカードでフルハイビジョンの動画(1920px×1080pxサイズ)が12分間撮影できるそうですが、試していません。

このように、2008年時点のキヤノンさんの持てる最先端技術をふんだんに採り入れた、目を見張るスペックを新製品に惜しみなく搭載し、なおかつ、その戦略的な販売価格にも驚いてしまいます。
プレミアム発表会の余韻に間髪を入れず、11月29日からEOS 5D Mark2が新発売されたので、ドッと人気が出て、とくにお買い得感のあるEOS 5D Mark2の標準ズーム付きレンズキット(EF24-105mm f4Lとカメラボディが同梱)は、販売を開始してから僅か1カ月後のお正月前には品切れ状態になっており、EOS 5D Mark2の供給量には少し余裕はあるものの、EF24-105mm-f4Lの生産が旺盛な実需に追いついていない状態になっているようです。

新発売と同時に目玉のレンズキットが完売して品切れになったのは、製造・販売の実需予測の読み違いでしょうね。カメラボディとLタイプ標準ズームが同梱されているので、パッケージの大きさもEOS-1Ds Mark2用のぐらいのサイズになっています。

2006年3月に、ぼくがEOS 5Dのボディをヨドバシカメラで買った時は385000円(ポイント割引除く)もしました。
さすがに、EOS 5D Mark2がリリースされるウワサが立った2008年の夏過ぎは、EOS5Dの新品ボディは、25万円前後まで下落しましたが...。
ところが、2008年11月末から売り出されたEOS 5D Mark2+EF24-105mm f4Lのレンズキットが398000円(ポイント割引除く)となって、キャノン製35mm判フルサイズデジタル一眼レフのカメラボディ価格が従来機の新発売開始時期よりも10万円も下がったのです。

さらに、2010年1月は、同キットが335,000円ほどになり、5万円安くなりました。超お買い得になってきている。因みに2011年6月は、EOS 5D Mark2+EF24-105mm f4Lのレンズキットが約29万円(ポイント10%付)、ボディ単体だけで約21万円(ポイント10%付)になってきて、新発売当時に比べると30%ぐらい価格が下落してきています。

2011年3月11日以降は、東日本大震災や同年7月に起きた、タイのチャオプラヤー川の洪水被害で、キャノンさんの工場も影響を受け、EOS DIGITALとEFレンズの生産が停滞して、ストックを持っているカメラ店では強気になってEOSの高級機や人気のあるLタイプのEFレンズが品薄で値上がりしましたが、下期になって価格が落ち着いてきたようです。

新発売の時にEOS 5Dを買った時と同じ金額で、EOS 5Dよりも性能が大幅に上がったEOS 5D Mark2とLタイプレンズ一本が付いてくることになれば、誰だって買いたくなる衝動に駆られると思いますね。
キャノンさんは、昨今の需要予測を視野に入れてレンズを生産していたところ、EOS 5D Mark2レンズキットの商品企画が大当たりして、予想を上回る大量のオーダーを抱えて喜ばれたことでしょう。

ぼくが2009年正月明けにEOS 5D Mark2のレンズキットを注文した時はタイミングが遅く、すでに品切れ状態でした。量販店数社に訊いてみると、EOS 5D Mark2の在庫は少しあるが、キットに指定されている標準ズームレンズの方はいつ入荷するか定かでないらしい。
1月末に取材の仕事を頼まれており、手を拱いてのんびりと待っておられないので、レンズキットを持っていそうなお店に電話を掛けまくって探し、やっと1月17日にEOS 5D Mark2のレンズキットをゲットすることができました。

但し、これはキヤノンさんがEOS 5D Mark2の新発売キャンペーンのために用意した正規のキットパッケージではないが、キャンペーン期間中にEOS 5D Mark2とEF24-105mm f4Lを同時に買ったお客さんには、バラで買ってもキット販売と同価格になるということだったので、取材の10日前にゲットできて本当にラッキーでした。但しこの時にバラで買ったEOS 5D Mark2とEF24-105mm f4Lは譲渡し、後に正規のキットパッケージを買うことにしました。

人気のEOS 5D Mark2レンズキットパッケージを購入

購入したEOS 5D Mark2のパッケージを開けてみた。保証書の大きさはEOS 5D用よりもでかい。
新品のパッケージを開ける時は、還暦過ぎても童心に還ってルンルン気分になります。早速、専用電池(バッテリーパック)のLP-E6を充電器(LC-E6:100V〜240V、50/60Hz対応)に装填して、折り畳み式の差し込みプラグを引きだし、そのまま壁面のACコンセントに差し込んで充電します。充電器のランプが「グリーン」に点灯すれば充電完了です。
暖房の入った23℃の部屋では、フル充電まで2時間ほど掛かり、ロケに出掛ける時は、EOS 5D Mark2はEOS 5Dより電気を消費するので、フル充電した電池のスペアは必携ですね。なお、EOS 5D Mark2には、EOS 5D用の電池(BP-511A)を共用できません。

電池を充電している間に、愛機のPowerMac G5 (Power P C搭載モデル) にドライバーソフトをインストールします。
既にEOS 5Dを買った時に前回のドライバーソフトをインストールしていましたが、カスタムインストーラーで古いドライバーソフトを削除しなくても、ずぼらして上書きインストールしても問題はありませんでした。ソフトウエアで進化したのは、EOS Utilityです。取り込んだ画像から不要な画像だけを反転セレクトすれば、一発で削除できます。今までは一枚ずつしか削除出来ないので面倒でした。
パソコンのセットアップが終わると、EOS 5D Mark2の取扱説明書をサーッと読みました。
取説の表紙がEOS 5Dの取扱説明書と同じデザイン・配色なので、EOS 5Dを併用している人は、取扱説明書を持ち出す時は間違わないようにしたいところです。

バッテリーパックのフル充電が済むと、カメラグリップ底部の電池室内にバッテリーパックを入れ、カメラ背面から見て右側面にあるカードスロットのカバーを開いてCFカードを入れます。CFカードについては、EOS 5Dを買った時にサンディスク社の「Ultra2」の1GB(現在は生産終了)を5枚買っていたので、それを流用しました。
そして、カメラ電源のスイッチを二段上まで上げました。カメラ背面のサブ電子ダイアルをアクティブにするためにです。

そしてメニュー操作で、自分好みの仕様に設定していきます。カメラ背面のカラー液晶モニターが、EOS 5D Mark2になって対角線長・3インチの大型になり、モニター画面の画質もEOS 5Dのものよりも高精細になったので、文字が大きくて読みやすいし、撮った画像の露出が適正かどうかも従来機よりも判断しやすくなりました。EOS 5Dを使っていた方なら、EOS 5D Mark2のメニュー操作に慣れるのは簡単だと思います。

早速、試しに気になっていた高感度撮影でのノイズチェックをしてみました。
ISO 6400の高感度に設定して蛍光灯下の事務所室内を2102万画素のJPEG-Fineの画質モードで手持ち撮影をしてみました。評価測光で、シャッター速度60分の1秒・絞りf8が適正露光でした。EOS 5DではISO800がノイズレスの実用限界だったので、3EV(3段分)の高感度域の拡張は、カメラマンにとっては手持ち撮影のチャンスが増えます。またRGB各色14ビット階調の出力というのは、シャドーやハイライトの再現が滑らかになるワケです。

事務所室内で10カットほど試し撮りし、USBケーブルを使ってEOS 5D Mark2とPowerMac G5を繋ぎ、カメラの電源をONにすると自動的に「EOS-Utilty」ブラウザが起動し、一番上のアイコンをクリックすれば、撮影画像がダウンロードされる。ぼくはWEB用の撮影(700px × 500px 72dpi)でも「JPEGラージ」で撮っていますが、Lモードの画像ファイルの転送スピードはEOS 5Dの時よりも速くなったような気がしました。
画像の取り込みが終了すると、画像取り込み用の終了ボタンをマウスでクリックして、カメラの電源をOFFにしてからUSBケーブルを外します。

Macにダウンロードした画像ファイルをキャノン製の「Digital Photo Professional」で開き、気に入った画像にチェックマークを入れます。その後で、Adobe Photoshop CS2で開き、100%の表示サイズにして画質をチェックしてみると、ISO6400にしても画像のノイズはさほど目立たず、個人的には実用範囲内の画質でした。ISO1600に設定して撮影すればノイズは殆ど出ません。

無理をすれば、超高感度のISO12800(H1)やISO25600(h2)も設定出来ますが、画面全体に横縞状のノイズが出て、画像がざらつくので、お奨めできません。
超高感度でノイズが出たとしても、2102画素もあるので、防犯用などの解析カメラとしては充分役に立つと思います。

パソコンにデジタルカメラの画像を取り込む時の注意ですが、デスクトップ上に「Digital Photo Professional」が既に起動していると、新たに作成した日付名のフォルダが読み込まれないので慌ててしまいます。Macを使っている場合、こういう時は画像がパソコンに取り込まれた終了後に再起動する必要があるので、ご注意を!「Digital Photo Professional」が起動していない時に画像を取り込み、後から同ソフトを起動すると、新しい日付名のフォルダが正常に表示されます。

それにしても、2102万画素の画像ファイルは大きいですね。28%ぐらいの縮小表示サイズでも23インチ・シネマディスプレーで天地が一杯になってしまいます
今までのEOS 5Dでは、ISO800までがノイズの出ない実用範囲でしたが、それより三段高感度に設定しても使えそうなので、キヤノン製の手ブレ補正の「IS:イメージ・スタビライザー」搭載レンズを使えば、かなり手持ち撮影のチャンスが増えそうです

既にキヤノンさんの製品カタログからドロップアウトしたEOS 5DとEOS-1Ds Mark2を比べると、EOS 5Dの場合は、工場出荷時(初期設定)の標準(スタンダード)の発色チューニングは、彩度が少し高めで、シャープさもやや強めで、撮影画像はメリハリのきいた鮮やかな発色をするようになっており、プロ用のEOS-1Ds Mark2の初期設定では「ニュートラル」で、肉眼で見た感じに近い発色に、つまり、被写体の色を忠実に再現されるようにチューニングされていました。彩度を抑えたい人は、ピクチャースタイルを「忠実再生」に設定できます。

今回新発売されたEOS 5D Mark2も、ピクチャースタイルの初期設定では「スタンダード」になっています。実際の被写体よりも少しメリハリが利いて派手目な発色をします。花を撮ると実物より鮮やかに写り、アンシャープマスクも弱めに効いています。風景を主に撮るユーザーならこの設定でいいかも知れませんが、被写体に忠実な発色を望む方は、メニュー操作でピクチャースタイルの設定を「忠実再生」や「ニュートラル」にするか、或いは彩度やコントラスト、シャープ度を自分好みにカスタマイズされた方がいいでしょう。また、そのプリセットをカスタム1、カスタム2、として保存し、モードダイアルのユーザー設定に使うことができます。

Lタイプ標準ズームで、手ぶれ補正機能(IS:イメージ スタビライザー)付、
コストパフォーマンスの高い、EF24-105mm f4L IS USM

EOS 5D Mark2のレンズキットに指定されている標準ズームのEF24-105mm f4L IS USMは、初めて使うレンズです。
同じ標準ズームのEF24-70mm f2.8Lは良く使ってましたが、このニッパチ標準ズームレンズの画質は優秀ですが、残念ながら手ブレ補正装置が未だに付いていません。ニッパチ標準ズームにイメージ・スタビライザーを早く付けて欲しいと願うのはぼく一人だけではないと思いますね。

ぼくは仕事で室内撮影をすることも大変多く、EF24-70mm f2.8Lで手持ちでスローシャッターを切る機会が多い。とくに24mmにした時は、30分の1秒のシャッター速度を多用する。今から7年前までは、フィルムカメラのCanon newF-1とFD20-35mm f3.5Lを取材のメインで使っていたが、30分の1秒のシャッター速度で手ブレするようなポカは殆どなかったのですが、還暦を過ぎて数年経ち、昨今では、体調が良くないときに脚立に上って写真を撮ると、体が少し震えてカメラブレの写真を撮ってしまうことがあるのです。

ぼくは万一に備えて、同じカットを数枚撮るので、今のところ、ポカはばれていませんが、いつかは、ばれると思います。常用レンズには手ブレ補正装置が付いておれば、少しは安心。EF70-200mm f2.8L IS USMのズームを使って、手ブレ補正のありがたさが判ってきたからです。

EOS 5D Mark2のキットに付いている標準ズームレンズは、風景撮影やスナップ撮りで使用頻度の高い24mmから、ポートレート撮影に使用頻度の高い105mmもカバーし、105mmにしたときに45cm(被写体距離)も寄れてマクロ撮影もできます。

マクロにした時の画質も良くて、痒いところに手が届くツボを押さえた標準ズームだと言えるでしょう。ズーム全域でF4の明るさ、手ブレ補正付き、レンズ内モーターを搭載してAF速度も速いという、カメラマンにとっては理想のズーム域と便利なメカを搭載した魅力的なレンズです。

思い起こせば、ぼくがプロカメラマンになった22歳の時(1966年)は、Nikon Fに、Nikkor-Auto28mm-f3.5、50mm-f2、105mm-f2.5のレンズだけで殆どの仕事をこなしていたのです。それが今やズーム一本で済むようになった。実にありがたい。写真取材する時は、荷物を可能な限り少なく軽くして身軽に動ける方がいいからです。ISO6400も使えるので、リモコン撮影とか夜景撮影以外は、三脚は要りません。

ところで、昨今ではズームレンズのズーム比を高めることは、コンピューターの導入でレンズ設計がさほど難しくはなくなってきていますが、高倍率にすると、いくら非球面レンズを使っても諸収差を良好に補正するのは難しくなってきます。
テレビカメラ用やムービーキャメラ用のズームレンズでは、20倍の高倍率のものがありますが、人間の眼は動く物に注意がいくので、動画を観ている殆どの人はレンズの諸収差などには気が付きません。

でも、写真撮影用レンズは静止画を記録しますので、人間の眼は停まっている物には解像力が高くて、ズームレンズの描写のアラがすぐにばれるのです。ズームレンズは、単焦点レンズに比べると便利ですが、焦点距離が変わると収差の出方も変化していくので、ズームレンズで、単焦点レンズ並みに諸収差を良好に補正することは至難の技なのです。

写真用のズームレンズの収差で、ぼくが一番気になるのは、歪曲収差です。
やはり、EF24-105mm f4L IS USMの24mm側と105mm側では、狭い部屋の中で撮影すれば、つまり、近景では、画面周辺部で歪曲収差が少し気になります。
歪曲収差とは、画面周辺部の水平線・垂直線が彎曲する現象で、広角側では画面周辺の上下左右の直線部分が画面外側に少し引っ張られるタル型、望遠側では画面周辺の上下左右の直線部分が画面中央部に少し引っ張られる糸巻型の歪みが見られます。

写真レタッチソフトのAdobe Photoshop CS2から、この歪曲収差をモニターで画像を見ながら手動で修整できるようになりましたが、それを一々修整するのは面倒臭いものです。ところが、2014年になって、Canon EOS-1DXに同梱されたソフトウェアで、主要なEFレンズの歪曲収差を補正するソフトウェアがあるそうですが、RAWデータ限定です。JPEGでは出来ないそうです。レンズ周辺光量の不足を補うソフトが既に、EOS 5D Mark2にインストールされていますが・・・キャノンさんは中々やりますね。

EF24-105mm f4L IS USMレンズは、風景や屋外スナップ、ポートレート写真なら問題なく使えると思いますが、建築写真とか商品写真には「建造物や商品が歪んで写るのはNG」なので、そのような仕事をされる方は、TS-Eレンズやマクロ系レンズを別に買っておいた方がいいと思います。
EF24-105mm-f4L-IS-USMを実際に使ってみれば、近景描写の歪みの問題を除けば、安心して使えます。
このズームレンズの発色やピントは良く、レンズのデザインもコンパクトで軽く使いやすい。プレミアム発表会で開催されていた写真展には、カメラがEOS 5D Mark2、レンズがEF24-105mm f4L IS USMで撮った写真がA1ほどの大きさにプリントされて展示されていて、なかなかシャープでした。

広角レンズや広角ズームレンズを使って写真を撮ると、多かれ少なかれ、レンズ周辺部の光量低下の現象が見られますが、これをカメラ搭載の画像エンジンの出力部で補正する機能が新たに加えられました。メニューの設定で、レンズ周辺光量補正ON/OFFの選択ができる。ONにすると、EOS 5D Mark2に登録されたレンズで撮った画像周辺部の光量落ちが自動的に修復されてスッキリします。

2010年下期に販売された、望遠ズームEF70-300mm f4-5.6L
300mm望遠で重さ約1kg、1.2mの至近距離、携帯性を配慮したズームロック、
素早いオートフォーカス、素晴らしい描写、手ブレ防止4段まで対応

このレンズを買うときに迷ったのは、ほぼ同価格のEF70-300mm f4.5-5.6 DO IS USMでしたが、個人的なデザインの好みで、EF70-300mm f4-5.6L IS USMにしました。このレンズは直進ズームで70mmの時と300mmの時はレンズ全長は大きく変化して、使わない時にはズームリングを70mmにセットして「ズームロックボタン」をロックしておくと、カメラケースにコンパクトに収納できるし、カメラをぶらさげているときにもレンズ前群の重みで鏡胴が下垂しないので都合が良い。

昔、ニコンF2のモードラを使っていた頃、ズームニッコールオート80-200mm f4.5を使っていましたが、このレンズも直進ズームで、カメラを下に向けると、地球の引力でズームレンズの鏡胴がレンズの重みで下垂して全長が長くなるので、「何とかならんのんかいなぁ」と、ニコンさんにお願いしても全然聞いて貰えず、撮影が終わると布製ガムテープでズームリングを止めていた思い出があります。それが、ぼくが知る限りに於いて40年後になって、やっと、他社で改良されたワケです。それが直進ズームのズームロック機能。

ズームロック機能なんて、レンズ性能に関係のない些細なことですが、ユーザーに取っては有り難い改良なのです。
新製品の商品会議で「これ、付けましょう」と仰った方は、コストの上がる改良に、よく勇気を出してくれましたね。
ぼくが借りたEF100-400mmも直進ズームでしたが、ズームロックボタンが付いていたのかどうかは記憶にありません。

望遠ズームEF70-300mm f4-5.6Lを買う前に、大阪市梅田にあるキヤノンサービスセンターでEOS 5D Mark2に取り付けて試写し、気に入ったので買うことにしました。望遠の直進ズームは焦点距離によって、バリエーターのレンズ群が移動し、重量バランスが変化するので、手持ち撮影では、いくら手ブレ防止が付いていても、カメラの構え方には注意が必要ですよ。なお、三脚にセットする時は、オプションでリング式三脚座が別途販売されているようです。

望遠ズームEF70-300mm f4-5.6Lを使ってみて、一番気に入ったのは、1.2mまで寄れて、至近距離でのピントが良いことです。発色も良いし、大絞りで撮った時の背景のボケも素直です。ぼくはドイツのロックス製のカメラケース(サファリ)を使っていますが、一番小さなサファリケースに、EOS5D Mark2+EF24-105mm F4LのセットとEOS5D Mark2+EF70-300mm F4-5.6Lのセット、そして580EXがピッタリ入ってしまいます。これが、EOS-1D系なら背が高くて入らない。EOS 5D Mark2の背の高さはぼくにとっては、大変都合がいいので、次期モデルのEOS 5D Mark3は、カメラの高さを変えないで欲しいと願っております。

EOS 5D Mark2に感じたことは、2102万画素の画質(JPEG Large)で3時間に300枚 (36枚撮りで9本に相当)ほど撮っても、新映像エンジン「DIGIC 4」のお陰で、テキパキと撮れてストレスは全く感じませんでした。安心して使えますね。
狙ったシャッターチャンスに、タイムラグ無しでシャッターが切れる。AF合焦スピードも、従来のEOS 5Dよりも速く感じました。
EF24-105mm f4L IS USMレンズを使って手持ち撮影しましたが、ズーム望遠端の105mmの時に50分の1秒のシャッターを切っても、手ブレ補正が良く効いてシャープに撮れていました。背景のボケ味も素直で悪くない。ただ、室内撮影では、すでに先述したように、歪曲収差の歪み(タル型や糸巻き型)が出て,個人的には気になります。

また、スピードライト・580EX2(58は、ISO100で1mのガイドナンバー)の調光精度は、従来の580EXよりは背景環境光とのバランスがかなり良く改善されています。ストロボ光が届く中景ではストロボ光が弱過ぎず、近景ではストロボ光が強過ぎず、ストロボ光が背景の環境光に溶け込んで不自然なことは無かった。580EX2のETTLモードでは、スピードライトが自動的に露出補正しているように感じました。

2006年に買った初期生産のEOS 5D では、ホットシュー接点の工作が駄目で、原因不明の不発が何回もありましたがが、スピードライト・580EX2の接点部改善とEOS 5D Mark2のホットシューの接点部の改良で、580EX2の通電信頼性は格段に向上しています。無発光の問題はほぼ解決したようですね。
EOS 5D Mark2を買って旧型の580EXを使っている方は、懐に余裕があれば、580EX2に買い換えた方が好結果が得られると思います。

現在も数年後も、デジタルカメラの全盛時代が続きますので、写真家やカメラマンが暗室でフィルム現像や印画紙プリントするような機会は無くなってしまいましたが、その代わり写真スタジオのオフィスでパソコンの前で仕事をすることが日常茶飯事になってきました。
フィルム現像の作業は、デスクトップ・パソコンの作業に、引伸機の作業はインクジェットプリンターに代わったのです。
ぼくの場合は、EOS 5D Mark2で撮った画像データをPowerMac G5(IBM,PowerPC970を2基搭載)に転送しています。
画像処理が速くて画像転送も速いEOS 5D Mark2と64ビットのCPUを二基搭載したPowerMac G5とのコラボは仕事が捗ります。
プロ用の高解像度の画像を生成するデジタルカメラであれば、その画像処理に使うコンピューターもワークステーション並みの高速画像処理能力と高機能を持ったソフトウェアの搭載が必須になります。

EOS 5D Mark2のカードスロットに装填したCFカード(SunDisk 製)からの転送は速く、一画像毎に転送が終わったら画像が一瞬大きく表示されるのが良い。
EOS 5D Mark2で撮ると、以前よりデータ量が約2倍になるので、使用コンピューターにはハードディスクの増設が必須になります。ぼくの場合は、2TB(2テラバイト=2000GB)クラスのハードディスクを増設しています。

2102万画素のメリットは、画像の半分をトリミングしても1050万画素として使えますので、デザインの仕事でEOS 5D Mark2で撮った画像を使う時は高画質がキープできて、5Dよりも、かなりのメリットがありますね。
この仕事に携わっていて、いつも思うことですが、そういう時代の最先端技術を真っ先に利用できる日本に居られることに感謝したいです。日本に生まれて良かったと、つくづく思います。

2009年1月20日初稿、2014年2月14日に更新: 尾林 正利


 
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