|
||||||||
|
上の写真は、2007年4月5日に取材しました。中国地方の山岳部・岡山県真庭市別所にある「醍醐桜
(だいござくら)」です。 早朝の5時15分に大阪市平野区を車で出発して、近畿自動車道〜中国自動車道を利用して霧に包まれた美作落合ICで降りて一般国道を走り、途中から林道に入って、ほぼ満車状態の観光客用駐車場に着いたのは7時50分でした。クルマを降りた時は、山峡の崖に聳える孤高の桜樹は、淡い雲海に包まれていたんですが、日が差すと霧は蒸散して青空が30分間続き、その短い晴天の一瞬を狙って「空抜きの桜」を撮りました。8時40分になると、北西から雪雲が流れてきて、再びモノクロームの世界になってしまいました。岡山県の天然記念物までは、大阪からはクルマで片道220kmです。 醍醐桜は北側から撮る方がボリュームがありますね。背景の山を近づけて撮りたかったので望遠レンズを使いました。 上の写真は、奈良県宇陀市大宇田本郷にある、豊臣家の家臣・後藤又兵衛に由来する「又兵衛桜」で、枝垂れ桜の名木です。自宅のある大阪市から片道で60kmほどです。近鉄大阪線の乙特急
(停車駅が多い特急) や急行も停まる「榛原駅」からバスで大宇陀中学校のバス停まで行けますが、バス停から又兵衛桜のある大宇陀本郷まで、少し歩くことになりますね。この日は4月なのに粉雪が舞っていて、薄日が差した数分間に撮りました。 同じ又兵衛桜をカメラ位置を変えて撮りました。背景が緑だとイメージが全然違います。だから、一枚の写真を見ただけで物事を判断してはダメなんです。数枚の写真をみて、客観的に判断できる眼力を養う必要がありますね。薄陽を待った甲斐がありました。 「さくら」と言えば、やはり奈良県吉野郡吉野町の吉野山でしょう。歌舞伎の「義経千本桜・初音旅」ゆかりの場所なんです。 上の写真は、上千本から見た蔵王堂です。吉野山の桜で一番多い品種は、古木の「シロヤマザクラ」が一番多く、凡そ200種もあるそうで、3万本も植えられているそうです。 撮影日:2004年4月7日、カメラ:FUJI FILM FinePix S2Pro、レンズ:Ai AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm f/2.8D IF-ED 上は金峯山寺蔵王堂です。 ぼくは大阪市平野区に住んでいて、区内には吉野山や大峯山で修行されている方もいらっしゃいます。 因みに吉野から熊野本宮へ向かうことを「逆峯(ぎゃくふ)」、熊野本宮から吉野に向かうことを「順峯(じゅんぷ)」というそうです。 上は、京都市伏見区下醍醐にある醍醐寺仁王門前の桜です。下は醍醐寺金堂の枝垂れ桜です。桜も幕も風に揺れていました。2012年4月9日に取材 上の二枚の写真は、京都市伏見区にある醍醐寺です。伏見区と言っても、醍醐寺は山科盆地
(やましな ぼんち) の中にあります。 醍醐寺の国宝・五重塔ですが、枝垂れ桜で隠れています。京都らしい景観ですね。太閤の豊臣秀吉は醍醐寺が好きで、花見の茶会をやったことから、 空を覆う"報恩院"の枝垂れ桜...見事ですね。 大阪市の桜の名所は、大阪市北区天満1丁目にある「造幣局の桜の通り抜け」の1週間イベントで、多くの市民で賑わいます。桜の種類は遅咲きの八重桜が多いです。元々はこの界隈は"さくらのみや"と言って、摂津国の桜の名所で、造幣局の局員が楽しめるように構内にも桜並木が造られたのですが、大阪市が誕生する6年前の明治16年(1883)、局長の遠藤謹助氏が大阪の四大区(北区、西区、東区、南区) の区民の人々も花見が楽しめるように期間を定めて無料公開され、戦時中以外は、今日に続いています。 毎年、4月の中旬に一般公開され、週末には夜間にライトアップされて夜桜見物ができます。トイレが北門の一カ所なので、さくら見物の前に済ませた方が良いでしょう。花見見物の途中で河川敷に出て露店で食事したい場合は、北門近くに「桜門」が解放されています。 大阪にある造幣局の桜の通り抜け見物は、構内の560mが、"北行きの一方通行"になっていて、天満橋に近い南門から入場し、国道1号線に面した「北門」から出ます。その通路の両側や真ん中に、凡そ350本の桜の木があって、131品種(2014年)の様々な桜の花を鑑賞できます。造幣局内では、食べ歩きはできません。 造幣局の桜の通り抜けには、様々な珍種がご覧になれます。午前中は比較的空いていて、ゆっくりと鑑賞できます。
上の白い八重の桜は「普賢象」という品種で、一番気に入った桜でした。 |
||||||||||
|
||||||||||
|
Photographs and Written by Masatoshi Obayashi Copyright (C) 2003-2016 Maxim Photography.All Rights Reserved. |