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新緑の会津、磐梯高原

上の写真は、1977年6月7日に福島県の裏磐梯高原(磐梯山より北)で撮った新緑です。五色沼から少し離れた場所です。ぼくは、スタジオ撮影がメインのフォトグラファーなので、広々した大自然の中で息抜きしたくなって、時々、ロングドライブの遠出をしていました。
この時は大阪から北関東や東北地方の新緑を撮りたくなって、愛車のカローラバンに、リンホフ スーパーテヒニカなどの大型カメラ機材を積んで茨城県の袋田の滝や尾瀬沼に行きました。途中で寄り道した磐梯山麓に広がる磐梯高原の樹海の美しさには息を呑みました。あれから、40年も経ち、オリ(撮影原板) の褪色が始まっており、少し色調を補正して掲載しています。



新緑の尾瀬


新緑の尾瀬湿原

上の写真は、福島県・群馬県・栃木県・新潟県に及ぶ、広大な尾瀬国立公園(2007年に指定) のシンボルである尾瀬沼です。その尾瀬沼付近の美しい白樺の森と湿原の新緑を撮りました。
尾瀬沼へは、福島の檜枝岐村の民宿でクルマを停め、背負子にカメラバッグを載せ、それを担いで沼山峠を通って徒歩で入りました。尾瀬沼に着いた時は、燧ヶ岳(ひうちがたけ)に残雪があって、6月初旬に尾瀬に行くというのは水芭蕉がチラホラで、ちょっと行くのが早かったようです。当時は、スマホやパソコン、インターネットなどは無かった時代なので、大阪では現地の情報が分かりません。端から傑作を望まず、次回来る時のロケハンに集中しました。 しかし、尾瀬に行ったのは、一回こっきりでした。だって、長時間重い機材を背負って運ぶの、しんどいもん。ぼくは、山岳写真家にはとてもなれません。
カメラ・リンホフ スーパーテヒニカ レンズ:FUJINON T 400mm f8、FUJINON SWD 90mm f/5.6 フィルム:エクタクローム



大阪市 花博記念公園鶴見緑地のポピー


大阪府は、オリンピックの招致には失敗しましたが、国際博覧会の開催には3回も招致に成功しています。
先ず、明治36年に「第5回内国勧業博覧会」を大阪府西成郡の天王寺村と堺市の浜寺公園で開催し、飛行機や新幹線、地下鉄も無い会場への交通インフラが整っていない時代に、凡そ5カ月の会期中に延べ530万人の入場者で、連日大入り。会場では、アイスクリーンというハイカラなジェラートがよく売れたそうです。その天王寺村の西部 (日本橋界隈:現在は浪速区) では、勧業博の跡地に2代目通天閣が建っています。

そして、戦後の昭和45年(1970年)には北摂の千里丘陵で日本万国博覧会を開催、6カ月の期間に6421万人余りの入場者を集めました。
前衛的な、岡本太郎氏の作品「太陽の塔」は、大阪万博のシンボルで現在でも建っています。
パビリオンのアメリカ館ではアポロ11号が月から持ち帰った石が展示され、長蛇の大人気。電気洗濯機が得意なサンヨー電機さんからは「人間洗濯機」を出品。ずぼらな人には持ってこいの商品ですが、実は介護用です。ダイハツさんからは、1970年では珍しかった電気自動車を出品。

3回目は、平成2年(1990年) に、「国際花と緑の博覧会 (通称:花博) 」が大阪市鶴見区で開催されました。チューリップのお花畑の中に大きな風車もあり、ぼくはモデル撮影で利用した記憶がありますね。しかし、チューリップに風車があっても、一箇所だけなので、オランダに来たイメージはないです。写真のポピーのカワイイ花壇は2006年5月に鶴見緑地で撮りました。ここは幼稚園や保育園園児の遠足が多くて、みんな嬉しそうで賑やかでしたね。花博記念公園へは、市営地下鉄の長堀鶴見緑地線の鶴見緑地駅から近いので、気晴らしに散歩が楽しめます。「咲くやこの花館」は、日本最大の温室らしくて、様々な熱帯植物に見応えがあります。

2006年5月25日撮影;カメラ・EOS-1Ds mark2 レンズ・TSE24mm使用

新緑

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記事・写真・WEBページ制作:尾林 正利
2016年5月7日

新緑が美しい日本の5月、北海道や沖縄を除けば、体感的に寒くもなく、暑くもなく、快適に過ごしやすい季節になりましたが、時々肌寒い日もあって、油断して薄着していたら、少し風邪気味になりました。
今年のゴールデン・ウィーク中の外出は、近くのスーパーで買物するために自転車に乗るぐらいで、遠出を控え自宅にいました。

ま、連休中になると、天然温泉のある観光地や客寄せイベントが行われるレジャー施設は、どこも混んでいますからね。その上に、日本に訪れる外国人観光客も多いです。
1982年のゴールデン・ウィークに、長野県安曇野市 (旧・南安曇野郡穂高町) の中房温泉に泊まったあとに、足を伸ばして富山県の砺波市へチューリップを撮りに行ったのですが、大阪までの帰りが、北陸自動車道も名神高速もノロノロ運転でイライラしたのを記憶に残っています。
だから、新緑や花を撮るような時は、観光客で混雑するゴールデンウィークを避け、連休後や梅雨明け後の平日の週間天気予報を調べてから、よく遠出をしました。個人事業者なので、自由に旅が出来たワケです。

北海道へは5回ほど写真取材にいきましたが、快晴に恵まれた日は少なかったですね。稚内(わっかない)からフェリーで渡る礼文島 (れぶんとう) の桃岩に、エゾスカシユリやレブンキンバイソウのお花畑 (原生花園) があるらしく、それを好天の日に撮るために1週間も粘ったのですが、ズーッと曇り空でした。
ぼくの印象では、北海道はだいたいスッキリしない薄日が多く、7月にオホーツク海沿岸のサロマ湖に行ったら、朝の気温が2度で、身体が震えました。でもお昼になると、20℃近く上がるんです。
夏の北海道は、晴れの昼間は暖かくてTシャツの上に半袖シャツでOKなのですが、朝夕は冷えますので、男性の場合は、長袖シャツとブレザー (ジャケット) を持っていった方がいいでしょう。

ま、7月〜9月の夏の北海道の旅は、春服と夏服の着替えを持っていく必要があり、クルマが欠かせませんね。大阪からだと、京都府の舞鶴港までクルマで行って、新日本フェリーを利用して、北海道の小樽まで行きます。急ぐ場合は、飛行機+レンタカーを利用しましょう。

北海道では、郊外に出ると、ガソリンスタンドがメチャ少ないのと、営業時間が短く夕方6時で閉店する店も多くて、釧路から札幌まで一般国道で330km、約7時間、高速道路で約5時間、一般国道でも高速道路でも、200Km (国道2号線で大阪市北区梅田〜倉敷市までの距離に相当) 走っても、ガソリンスタンドがない区間が今でもあるので、ガス欠対策に、20リットル入りのガソリンタンク(金属製) を満タンにしてトランクルームに入れておく必要がありますよ。ポリタンクは危険です。ぼくも、北海道へ1人で行った時はそうしました。

何せ、北海道の面積は大阪府の (関空を含めても) 41倍もあり、大阪人の物差しで北海道をナメたらあきまへん。夏やのに、朝と晩は大阪の真冬のような寒さの中、ストーブを焚いた佐呂間湖畔の旅館で、大きな甘エビを生のままで丼鉢に天こ盛りで出されて、食べきれませんでした。天ぷらにして頂いたなら、香ばしくなって、より美味しくなったと思います。

しかし、6月に富良野の会員制のコッテージで食べたバーベキューは最高でした。晩は冷えますので、薪を焼 (く) べる暖炉で夕食になりました。
網の上には、牛肉ステーキ、じゃがいも、スイートコーン、ホタテ、イカ、ニシン、鮭、この中で大阪では生のニシンを売っている店は無く、サッポロビールを飲みながら、サンマより太いニシンを炭火で丸焼きにして2匹食べました。「サンマよりおいしい !」なにせ、ニシンはカズノコの親やからね。
関西では干したニシンしか食べられません、その例はニシンそば。個人的には、そばよりうどんの方が好きなので、殆ど食べませんね。例外として堺市宿院のそば屋「ちく満:ちくま」には熱々の蒸籠 (せいろ) そばを食べにいきます。場所は、大阪のチンチン電車・阪堺電車の宿院駅下車です。

大阪の大手百貨店は、阪神・阪急・大丸・高島屋・近鉄は「北海道物産展」を1年に1回はどこかが必ずやっています。でも、ホタテ貝は、青森の特産品なんですけど、ま、いっか。

日本での新緑は、やはり、沖縄県の八重山諸島 ( やえやましょとう:石垣島や西表島 ( いりおもてじま) など ) が早く、1992年2月25日〜3月1日に依頼された取材で1週間も西表島に滞在し、マングローブが覆う浦内川をボートで遡って、サキシマスオウノキが生えるジャングルを取材しました。

西表島は亜熱帯気候なので、新緑ではなく常緑です。つまり、四季がないんです。油絵で描いたようなギラギラとした景色です。西表島の平野部では、2月で田植えしていました。早っ。
このときは、ハッセルの70mmマガジンで撮った、70mmカラーフィルム5本 (6×6判で350カット) は全部納品しましたので、写真は手許には残っていません。
その頃に、高画素のデジタルカメラやインターネットのインフラがあれば、西表島で撮ったぼくの写真作品が手許に残せたのですが、自ら著作権を放棄したビジネスが甘かったと反省しております。
蚊とハブ (頭上に潜むサキシマハブ) が苦手なので、二度と西表島のジャングルの中に入ることはないでしょうね。

本州で新緑が一番美しいと云われている青森県の十和田湖と奥入瀬渓谷には3回も行きましたが、樹木に覆われた渓谷なので日陰になって新緑の鮮やかさが足りません。でも、樹木の香りが充満して素晴らしいところでした。京都市左京区の貴船も奥入瀬渓谷と同じ匂いがします。奥入瀬は黄葉で貴船は紅葉です。十和田湖と貴船は秋の方が美しいですね。

そこで、尾瀬なら新緑が美しいだろうと思って1977年6月に出掛けました。
尾瀬へ行ったルートは福島県側の檜枝岐村を経由したので、行く前に会津磐梯山の麓 (ふもと) に寄り道して、小原庄助さんの真似をして展望露天風呂から磐梯山を眺められる宿に泊まりましたが、風呂に浸かって、お酒は飲めませんでした。

会津磐梯山は宝の山よ
笹に黄金がなりさがる

何故に磐梯あの様に若い
湖水鏡で化粧する

北は磐梯、南は湖水
中に浮き立つ翁島

主は笛吹く私は踊る
櫓太鼓の上と下

小原庄助さん、何で身上(しんしょう)潰した?
朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、それで身上つぶした
ハア、もっともだ、もっともだ

ま、朝寝・朝酒・朝湯は元旦しかしませんが、それを他のことに置き換えたら、心当りがないでもないです。am (_ _)Im

その、会津にいく道中に磐梯高原の裏表から眺めた、鮮やかな新緑の樹海の美しさは、とても素晴らしかったです。 この時のフィルムは残っていますので、その一部を掲載しました。
ぼくの写真は観光写真ではないので、参考にはなりませんが。

関西で、新緑が美しいと感じる所は、大阪府の東隣にある奈良県です。
法隆寺や法起寺のある斑鳩の里(いかるがのさと)周辺と、石舞台古墳がある明日香村の新緑が美しいですね。
とくに、柿の葉の新緑がきれいです。

奈良の名所旧跡は道が狭いので、マイカーで行くより、明日香村へは近鉄南大阪線の飛鳥駅下車(特急停車)やJR大和路線の法隆寺駅などでレンタサイクルを利用して春風を感じながら大和路を見て回るのもお奨めです。

当サイトの 「五月晴れ・新緑の季節、長谷寺の牡丹」も是非ご覧下さい。

2016年5月7日 記事と写真 尾林 正利

写真と記事の無断転載を禁じます。尾林 正利

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