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京都市伏見区・醍醐寺境内の椿

上の写真は、2012年4月9日に撮った醍醐寺 (下醍醐) の椿です。醍醐寺と言えば、壮麗かつ華麗な枝垂れ桜の大木と三宝院 (さんぼういん) 庭園で有名な寺院ですが、ここの枝垂れ桜が満開の時は、なんと椿も満開だったのです。しかも真紅の椿に勢いがありました。いずれ役に立つ時がくると思って、撮影しておきました。椿の記録写真を公開するのは初めてです。

ところで、椿と似た花に「山茶花(さざんか)」という"つばき科"の樹があります。
童謡の「たき火」では、かきねの かきねの まがりかど たきびだ たきびだ おちばたき あたろうか あたろうよ きたかぜぴいぷう ふいている
さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき あたろうか あたろうよ しもやけおててが もうかゆい...という歌詞があって、毎年冬になると、大阪市平野区の南東部では、その童謡を夜の8時頃にスピーカーで鳴らして灯油販売の小型タンクローリーがぼくが住んでいる住宅街にやってきます。毎晩やってくるので、歌詞をおぼえてしまいました。

「椿 (ちん・つばき) 」は、木偏に春という字が入っていますので、春を象徴する花の一つですが、厚葉樹 (あつばき→つばき) が訛った当て字らしいです。
個人的には、赤いツバキよりも、淡いピンク色の「乙女椿」が好きです。ぼくが中学生の頃、我が家の庭に咲いていました。
椿の花は、花の寿命がくると、花弁がばらばらに散るのではなく、花全体 (受粉した雌しべと萼だけ残して)が丸ごと地面に落花しますので、入院中のお見舞に椿の花を使うのは、"首が落ちる"と言って、古来からタブーとされています。
競馬の馬名には"○○ツバキ"ていう馬名は「落馬」をイメージするので、馬主さんたちは縁起を気にして使わないそうです。
「山茶花 ( サザンカ=ツバキ科の常緑小高木 )」は、冬でも比較的に温暖な九州や四国で栽培されているそうです。ツバキは花弁 (はなびら) を中開きの状態で咲きますが、サザンカは花弁を全開させて咲き、花弁がバラバラに散って短い花の一生が儚く消えてゆきます。


ツインカメラで撮る、フォトイラストレーション作品「つばき」

上のフォトイラストレーションは、1987年10月に大阪市北区の梅田と同年の11月に東京都中央区の銀座 (数寄屋橋) にあった富士フォトサロンで個展をしたときに出品した作品です。ぼくが考えたフォトイラストレーションを制作する時には、2台の4×5インチ判 (しのご) カメラのトヨビュー45Gとトヨビュー45M (酒井特殊カメラ製のビューカメラ) をスタジオにスタンバイし、45Gは実写用カメラ、45Mは自作の手描きのパターンを複写したり実写部分をマスキングするカメラにしました。

なぜ、2台のビューカメラが必要なのか?それは、複数の画像をモンタージュ (重ね合わせ)して、一つのイメージを制作するからなのです。当時は、ラスター画像の合成をコンピュータ上でオペレートするアプリケーション・ソフトウェアの Adobe Photoshopなんて市場に売って無かった時代です。

先ず、実写を撮る時に構図が決まると、45Gのピントガラス上にダーマトグラフで構図のフレームを正確にマーキングしておき、複写用カメラに実写用のカメラバックを装填して、手描きパターンと実写のフレーム合わせしてから、実写を写したフィルムホルダーをカメラバックに挿入して二重露光し、現像所でE6処理していただき、印画紙じゃなく、凹凸のあるバロン紙の質感を隠し味に出して絵画的な表現にトライしました。
写真の中に写真が写り込むテクニックは、ハリウッドの名画「イブの総て」のラストでジョゼフ・マンキーウィッツ監督の演出 (鏡の中に鏡が写る) をヒントにしました。なお、撮影に使った椿は実家の庭に咲いていたものをスタジオへ運んで撮りました。キーライトのライティングは「レンブラント・ライト (45度斜め上からの光線) にしました。

「つばき」をご購入される方は、4×5インチフィルムの原板の色調とシャープさを忠実に再現した「四つ切」サイズのクリスピア・プリントをステンレス調の額に入れて17,000円 (送料込み) で販売しておりますので、ご希望の方は、フォームに「お名前」、「メールアドレス」、「 つばき 」と、ご記入してください。ご注文をお待ちしております。   作品販売についての詳細は左下の管理人室のバナーをクリックして下さい。

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大阪市平野区大念佛寺の水仙



大阪市平野区にある大念佛寺も桜が美しい寺院です。桜が満開になったときにカメラを持って訪れました。すると、満開の桜樹に囲まれた花壇に水仙が植えられていて、ここの水仙も活き活きしていましたね。2012年4月8日撮影;Canon EOS5Dmark2 EF24-105mm f/4L IS USM使用。


フォト-イラストレーション作品「水仙」

上の写真は、1987年に撮った作品でしたが、作風が「椿」と重なるので未発表の作品です。「椿」のアイディアを応用 (二番煎じ) したものです。これもカメラは2台のトヨビューをスタジオにスタンバイし、1台は実写カメラ、もう1台は自作の手描きのパターンを複写するカメラにして、2台のカメラでワンカットのフォトイラストレーションを制作しました。



大阪市旭区・城北公園の菖蒲園


(毎年6月中旬に一般公開される回遊式庭園で、大阪市営地下鉄車内の行事案内を見れば期間が分かります。写真を撮るなら花が瑞々しい午前中が良い)

大阪市旭区生江3丁目にある城北公園は淀川に近く、公園内に回遊式の菖蒲園に人気があります。ここの公園近くに駐車場がなくて、公園の周りにクルマを停めると駐車違反の紙が貼られてしまいますから、大阪駅前や京阪天満橋駅から大阪市営バスで城北公園へ行った方がいいですね。
撮影:2011年6月8日 Canon EOS5Dmark2 EF70-300mm f/4.5-5.6L IS USM使用



フォト-イラストレーション作品「アイリス」

これも1987年の個展に出品した作品です。アイリスは、花屋さんで売っていたものを利用しました。そのまま撮っては面白味に欠けるので、花の背後からスポットライトを照らし、透明感と奥行きを強調しました。右サイドから水をイメージする青いライト (舞台照明用のフィルター) を使ってライティングしました。

フォトイラストレーションの「アイリス」をご購入される方は、4×5インチ判原板の色調とシャープさをほぼ忠実に再現した「四つ切」クリスピア・プリントをステンレス調の額に入れて17,000円 (送料込み) で販売しておりますので、ご希望の方は、フォームに「お名前」、「メールアドレス」、「 アイリス 」と、ご記入してください。ご注文をお待ちしております。 作品販売についての詳細は左下の管理人室のバナーをクリックして下さい。

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イラストレーション作品「城北公園の菖蒲」

これは1992年10月25日に制作完了したイラスト作品です。1992年6月に絵を描くためのネガ撮りし、撮影の仕事が無い日にすこしづつ作業し、下書きに延べ8日、色付けに延べ7日も費やしました。回遊式の城北公園は、プロ・アマ写真家の被写体になるだけでなく、絵を描きたくなるモチーフです。この作品は色鉛筆で仕上げました。6月の菖蒲園には、鴨やサギが舞い降りてきて、ここへ来ると心が癒されますね。絵に描いた公園の左側 (北側) には、淀川の「ワンド (河川水量の増減で生じた池)」が見られ、景色もいいです。

イラストレーションの「城北公園の菖蒲」をご購入される方は、原画の色調を忠実に再現した「四つ切」クリスピア・プリントをステンレス調の額に入れて17,000円 (送料込み) で販売しておりますので、ご希望の方は、フォームに「お名前」、「メールアドレス」、「 しろきた 」と、ご記入してください。ご注文をお待ちしております。



兵庫県佐用郡佐用町南光・ひまわり畑


(鉄道利用は姫新線の播磨徳久駅下車、ひまわりの情報は、佐用町役場南光支所で...毎年7月中旬が見頃)

関西方面で「ひまわり畑」を見たい時は、兵庫県と岡山県の県境にある佐用町へ行きます。鉄道よりクルマの方が早いです。中国自動車道の佐用インターで降りれば、ひまわり畑はすぐに見つかります。早朝は、太陽光線がまだ弱いので、ひまわりが下を向いてお辞儀していますが、陽が高くなると、花が上に向きます。実におもしろい花です。ひまわり畑に迷路を作って鬼ごっこ...小さなお子様連れの観光客が多く、百聞は一見に如かずです。佐用町南光では、お土産にひまわりの種子を搾った「サンフラワーオイル(食用や美容用)」も売っていますし、岡山県の湯郷温泉にも近いです。
撮影:2007年7月24日 Canon EOS5D EF24-70mm f/2.8L USM使用



フォト-イラストレーション作品「ひまわり」

これも1987年の個展に出品した作品です。ひまわりは、自宅で咲いていたものと花屋さんで買ったものを利用しました。そのまま撮っては面白味に欠けるので、印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホをオマージュ(敬意)して、黄色に仕上げました。ライトには黄色のフィルターを掛け、背景や壺はアクリル絵の具で色付けしました。


フォトイラストレーションの「ひまわり」をご購入される方は、4×5インチフィルムの原板の色調を忠実に再現した「四つ切」クリスピア・プリントをステンレス調の額に入れて17,000円 (送料込み) で販売しておりますので、ご希望の方は、フォームに「お名前」、「メールアドレス」、「 ひまわり 」と、ご記入してください。ご注文をお待ちしております。
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写真取材、フォトイラストレーション制作、イラスト制作、WEBページ制作:尾林 正利
編集:2016年2月25日

百花繚乱...春近し、花の季節へ

今年は1月中旬から体調を崩し、2月下旬になって、ようやく体調が回復に向かって身体が少し動くようになりました。全快まであと半月ぐらいかかるようですね。百花繚乱の季節がやって来る前に、今までエクタクロームやフジクロームで撮った4×5インチ判作品をフィルムビュアーに並べて整理しながら、制作意欲が旺盛だった40代を振り返ってみました。
1987年10月と11月 (当時43歳) の大阪市北区梅田と東京都中央区銀座 (数寄屋橋) で開催した個展から、今年で29年も経ってしまいました。29年の間に、日本の写真業界は大きく様変わりしましたね。

先ず、写真の記録方法が銀塩フィルム (感光物質に三種のハロゲン化銀をエマルジョンに混ぜたもの) で保存する方法...つまり、肉眼で見える画像の保存から、現在の写真の記録が撮像板という"イメージセンサー"上に集積された微細なフォトダイオードで感光した画像を光電変換 (光の強弱をADコンバーターを使って電圧の強弱に変換) した、肉眼では見えないデジタルデータをコンパクトフラッシュやパソコンのハードディスクなどで保存する時代に変わり、カメラの知識が全く無い小学生でも、スマホのカメラで誰でもピントのあった適正露出の写真が撮れるような時代になってきました。

家族や友達の間で撮った写真をWi-Fiの無線ローカルネットワークを使って、スマホに写真を共有したり、FTTH (光ファイバー回線) を使ってインターネットに接続したパソコンで写真を共有する"インスタグラム"というアプリケーションが昨今の衆目を集め、次第にプロ写真家の存在が薄れてしまう世の中になりました。

ぼくと同世代の写真家は、銀塩に拘っている頑固な人もいますが、時代の変化に順応しなければ、ジュラ紀の恐竜と一緒で、子孫も生き残れません。
その点に於いて、ぼくはデジタルフォトグラフィーに全く抵抗感がありませんでした。
というのは、1997年1月から Apple社のPowerMac (現在はMacPro)を何度も買い換えながら愛用してきており、毎日Macに触れるのが楽しいからなんです。継続は力なり!但し、Windows PCはMacほど好きにはなれませんが...。

今の自宅には、NTTさんが据え置き型のWi-Fiルーターの「隼 ( 高速無線LAN規格IEEE802.11ac対応 )」をセッティングして頂いたので、従来よりインターネットのページビューが速くて快適!ぼちぼち、二つ折のガラケーのケータイを卒業して、WiPhone6s Plusか 次のWiPhoneにしょうかなぁと思っております。

ぼくは、写真の予備知識が皆無の状態で日本写真専門学校に入りましたが、在校中はカメラマンや写真家になるつもりは殆ど無かったですね。でも折角高い授業料を払って写専を出た以上は、プロモーション ( 販促向けの写真撮影 ) や コマーシャル (マスメディア向けの写真撮影) の仕事をやって、関西人の気風で元を取らなあかんと思い、1966年から広告制作会社に就職して、カメラマン職に就き、その後1975年に独立して写真スタジオを経営していた2001年頃まで、30名ほどのディレクター兼ライターさんとペアで仕事をし、そのお陰で「門前の小僧、習わぬ経を読む」の諺通りになり、文系大学に行かなくても、文章がスラスラ書けるようになったんです。時代の先端を行く仕事をしていた役得ですわ。勿論、広辞苑のような辞書や、毎年更新される時事用語事典は買わなければなりませんが。IT関連の仕事をしていて、同業者にスキルとかスキームって「何や?」って訊かれませんからね。

広告宣伝というのは、スポンサー企業の名前と新製品の名前を消費者にテレビCMや新聞広告を通じて知って頂くために、広告のプロ (スペシャリスト) たちが集まってブレーンストーミング (ブレスト)しながらアイディアを練るワケなんですが、昨今では、新製品の売上を伸ばす特効薬は、ライバル社を意識した「安売り値下げ」とか「ポイント2倍サービス」などのイージーな手法が多いみたいです。会社の経営者は業績を上げないと、出資者から経営責任を問われますから、形振 (なりふ)り構わずですね。

ぼくが高校生の頃 (昭和35年〜38年)に「衣食足りて礼節を知る」と学んだのですが、今ではそれをマジで信じてはいけませんよ。「衣食が足りる」のと、「礼節を知る」のは、今の日本社会には当てはまらないですね。

昨今では、昭和44年 (1969年) 頃にオンエアーされていた「丸善石油の猛烈100ダッシュ」のCMみたいな、明快な傑作が少ないですね。
あのTVCFって、マリリンモンローが主演した「七年目の浮気(ビリー・ワイルダー監督作品・カラー:1955年公開)」のパンチラシーン (マンホールの下を通る地下鉄の風圧で、モンローのドレスが捲れ上がる場面) が映画や宣伝スチール (モノクロ) で大ヒット!...それををぱくったものと思いますが、真面目な夫のジョー・ディマジオ(ニューヨーク・ヤンキースの選手) がロケ現場に来て、大観衆の前で妻の下着姿を撮影されているのに激怒し、2週間後にモンローとの離婚を発表したそうです。

消費不況の今、3K(交通費・交際費・広告費) の経費節減のために、上場会社が広告・宣伝にイージーな手法をとるようになると、広告制作にスペシャリストのライターさんや時代のトレンド (流行り) を一歩進んでクリエートするアーチストやフォトグラファーの表現力も要らないワケで...現在のクリエーター稼業はそういう不毛の時代に入っていますね。ハッとするようなテレビCMが少ないです。
面白いテレビCMが出てくるような世の中にカムバックして欲しいですね。
ぼくの仕事は、銀塩カメラで制作していたフォトイラストレーションを今度はデジタルでもチャレンジして、時々成果を掲載したいところです。

取材写真、フォトイラストレーション、イラスト、記事の更新:2016年2月25日 尾林 正利

写真と記事の無断転載を禁じます。尾林 正利

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